当然ながら、国内メディアはこれを「恥辱だ!」と非難し、当事者である選手も、「ブラジルが五輪に出場できないなんてことがあってはならない。悲しみもさることながら、恥ずかしさの方が大きい。少しではなく、とても恥ずかしい」(ケネディ)と語るなど、大国の威信を傷つけてしまったことに大きなショックを受け、落胆している。
この惨状に対し、デジタル新聞の『O Municipio』は「この敗退は、ブラジルサッカーが進むべき方向を見失っていることを明確に示している。アルゼンチン戦では、組織されていないチーム、攻撃プレーでの平凡さ、そして相手が(78分に)1点を決めた後の精神的な混乱をさらけ出した」と酷評し、さらに以下のように続けた。
「貧弱な試合の後に、“サッカーの国”はまたしても恥をかき、その未来は不透明だ。良い人材がいるにもかかわらず(以前はもっと優れていたが……)、新たな失敗から分かるように、至急CBF(サッカー連盟)には適任な指導者が必要である。それにしても、どこまで堕落してしまったのか。CBFがますます豊かになる一方で、ブラジルのサッカーはピッチ上でますます貧しくなっている。何という時代! 何という衰退!」
国外からも厳しい声は多く届いており、アルゼンチンからは1978年W杯の優勝監督であり、現役時代はブラジルでもプレーしたセサル・ルイス・メノッティは、「今、ブラジルで起こっていることを残念に思っている。1970年のW杯では、彼らの素晴らしい瞬間を私は目撃した」と語り、ライバルの現状を嘆きながら、檄を飛ばしている(アルゼンチンの『DSPORTS Radio』より)。
「これには、文化の衰退があると思う。もはや彼らは、(70年当時とは)別の世界にいる。彼らがなぜそんなに酷いプレーをするのか、なぜアイデアを持たないのか、なぜ輝かしい歴史を維持しないのか理解できないが、とにかく改善できることを願っている。もっとも、ブラジルが我々(アルゼンチン)に対して悪いプレーを続けるのは歓迎するが……」
小見出し3)
マネー至上主義、外国人選手の流入…ブラジルサッカーの問題点とは?
一方、プレーのクオリティーの低下について、ブラジルのスポーツ専門メディア『Um Dois Esportes』は、1998年に制定された「ペレ法」に端を発していると指摘。選手の権利を守るための規則により、国内サッカーの主導権が代理人に握られ、彼らのマネー至上主義の下で以前のような多様で優れた人材の育成が妨げられ、欧州クラブの需要に合った選手の“製造”に重きが置かれていったという。
それに加え、かつてはごく一部の優れた外国人選手だけを受け入れ、国内選手に成長の機会を与えていたリーグも、今では100人以上の選手が国境を越えてきており、「パルメイラスのグスタボ・ゴメス(パラグアイ)、フラメンゴのジョルジアン・デ・アラスカエタ(ウルグアイ)、アトレチコ・パラナエンセのルーカス・エスキベル(アルゼンチン)を除いて、全選手が(能力的に)疑わしい」と同メディアは指摘する。
「今回の件は、ブラジルサッカーはCBFの悪しき運営によって深刻な構造的問題を抱えているだけでなく、すでにどん底に達しているにもかかわらず、何も改善がなされていないことを意味している。クラッキ(天才プレーヤー)が現われた時にだけ、ブラジルはタイトルを獲得しているというのに……」
前出の『O Municipio』は、「我々は『1対7』の教訓を何も学んでいないようだ」と綴り、2014年の自国開催のW杯準決勝でドイツに「ミネイロッソ(ミネイロンの悲劇)」という名で記憶されるほどの惨敗を喫した後の、長く続いた混乱と不振に言及している。当時(2016年)はチッチの代表監督就任とネイマールを中心としたチームによる自国での史上初の五輪金メダル獲得が、ブラジルサッカーを上昇気流に乗せたが、今回はいかにしてこの状況を乗り越えるのだろうか。
構成●THE DIGEST編集部
【動画】ブラジルvsアルゼンチンの激闘! 猛攻を見せるも1点が遠く…
この惨状に対し、デジタル新聞の『O Municipio』は「この敗退は、ブラジルサッカーが進むべき方向を見失っていることを明確に示している。アルゼンチン戦では、組織されていないチーム、攻撃プレーでの平凡さ、そして相手が(78分に)1点を決めた後の精神的な混乱をさらけ出した」と酷評し、さらに以下のように続けた。
「貧弱な試合の後に、“サッカーの国”はまたしても恥をかき、その未来は不透明だ。良い人材がいるにもかかわらず(以前はもっと優れていたが……)、新たな失敗から分かるように、至急CBF(サッカー連盟)には適任な指導者が必要である。それにしても、どこまで堕落してしまったのか。CBFがますます豊かになる一方で、ブラジルのサッカーはピッチ上でますます貧しくなっている。何という時代! 何という衰退!」
国外からも厳しい声は多く届いており、アルゼンチンからは1978年W杯の優勝監督であり、現役時代はブラジルでもプレーしたセサル・ルイス・メノッティは、「今、ブラジルで起こっていることを残念に思っている。1970年のW杯では、彼らの素晴らしい瞬間を私は目撃した」と語り、ライバルの現状を嘆きながら、檄を飛ばしている(アルゼンチンの『DSPORTS Radio』より)。
「これには、文化の衰退があると思う。もはや彼らは、(70年当時とは)別の世界にいる。彼らがなぜそんなに酷いプレーをするのか、なぜアイデアを持たないのか、なぜ輝かしい歴史を維持しないのか理解できないが、とにかく改善できることを願っている。もっとも、ブラジルが我々(アルゼンチン)に対して悪いプレーを続けるのは歓迎するが……」
小見出し3)
マネー至上主義、外国人選手の流入…ブラジルサッカーの問題点とは?
一方、プレーのクオリティーの低下について、ブラジルのスポーツ専門メディア『Um Dois Esportes』は、1998年に制定された「ペレ法」に端を発していると指摘。選手の権利を守るための規則により、国内サッカーの主導権が代理人に握られ、彼らのマネー至上主義の下で以前のような多様で優れた人材の育成が妨げられ、欧州クラブの需要に合った選手の“製造”に重きが置かれていったという。
それに加え、かつてはごく一部の優れた外国人選手だけを受け入れ、国内選手に成長の機会を与えていたリーグも、今では100人以上の選手が国境を越えてきており、「パルメイラスのグスタボ・ゴメス(パラグアイ)、フラメンゴのジョルジアン・デ・アラスカエタ(ウルグアイ)、アトレチコ・パラナエンセのルーカス・エスキベル(アルゼンチン)を除いて、全選手が(能力的に)疑わしい」と同メディアは指摘する。
「今回の件は、ブラジルサッカーはCBFの悪しき運営によって深刻な構造的問題を抱えているだけでなく、すでにどん底に達しているにもかかわらず、何も改善がなされていないことを意味している。クラッキ(天才プレーヤー)が現われた時にだけ、ブラジルはタイトルを獲得しているというのに……」
前出の『O Municipio』は、「我々は『1対7』の教訓を何も学んでいないようだ」と綴り、2014年の自国開催のW杯準決勝でドイツに「ミネイロッソ(ミネイロンの悲劇)」という名で記憶されるほどの惨敗を喫した後の、長く続いた混乱と不振に言及している。当時(2016年)はチッチの代表監督就任とネイマールを中心としたチームによる自国での史上初の五輪金メダル獲得が、ブラジルサッカーを上昇気流に乗せたが、今回はいかにしてこの状況を乗り越えるのだろうか。
構成●THE DIGEST編集部
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