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海外サッカー

レスター、ボルシアMG、 R・ソシエダ!躍進クラブのポテンシャルを鑑定

ワールドサッカーダイジェスト編集部

2020.01.31

それぞれのチームの攻撃陣を支えるボルシアMGのテュラム(左)、R・ソシエダのウーデゴー(右)。(C)Getty Images

それぞれのチームの攻撃陣を支えるボルシアMGのテュラム(左)、R・ソシエダのウーデゴー(右)。(C)Getty Images

■ボルシアMG 43年ぶりの優勝も夢ではない
ブンデスリーガ成績:3位(12勝2分け5敗/36得点・21失点)

 ハイプレス、トランジション、速攻がキーワードのストーミングが戦術の軸。中盤が逆三角形の4-3-3を使用する頻度がもっとも高いが、持ち駒に合わせたスタイルの構築を身上とするローゼ監督は、4-3-1-2や3-5-2なども高次元に機能させている。

 いずれの陣形においても共通するのは、攻守の両局面における数的・位置的優位の確保。ボールサイドに人数をかけて一気に奪い切り、攻撃に転じた後は素早く縦に攻め込む。縦志向の強さは後方から組み立てる際、ギンターとエルベディの両CBがSBやアンカーにパスを送るより、FW陣への楔のパスにプライオリティーを置いている様子からも分かる。

 スーパースターは不在で、全員がチームファーストを心掛けているゆえ、高い位置から奪いに行く守備の連動性や緻密さが損なわれるのは稀。ボールロストした瞬間に敵を囲い込むのが約束事で、仮に守備ブロックを破られても、最後尾に守護神ゾマーが君臨しているのは心強い。

 秩序のある組織を築いているチームが大崩れする心配は少ないが、さらなる躍進を遂げるにはEL敗退の要因にもなった得点力を高めたい。10年代初頭にファンを魅了したロイス、アランゴ、ハンケ、ヘアマンに代わる新たな“ファンタ4”と称される攻撃カルテット、テュラム、プレア、エムボロ、ヘアマンがそれぞれ凄みを増すようなら、43シーズンぶりとなるリーグ制覇も決して夢ではない。
 
■レアル・ソシエダ 欧州カップ戦の出場権獲得へ!
ラ・リーガ成績:6位(10勝4分け7敗/36得点・28失点)

 攻撃的なフットボールでラ・リーガにセンセーションを巻き起こしているレアル・ソシエダ。戦術面でポイントを置いているのが、スペースの有効活用だ。アンカーの位置に入るスベルディア(あるいはゲバラ)が、DFラインまで下りてビルドアップに加わり、そしてミッドフィールドに生まれたスペースをメリーノやウーデゴーが巧みに使いながら、縦に速い攻撃を展開する。

 さらに右サイドからはポルトゥが、左サイドからはオジャルサバルがフリーランを繰り返して、その動きに連動。ワンツーや裏へのスルーパス、クロスといったコンビプレーを駆使してフィニッシュまで持ち込む。そのアグレッシブな姿勢は守備でも効用を発揮し、高い位置でのボール奪取を徹底。奪ったらすぐさま2次攻撃へとつなげる。ただ、いくら内容で上回っても、ビッグクラブ相手の白星はアトレティコ戦だけで、下位相手の取りこぼしも目立つのが実情だ。

 大黒柱のイジャラメンディを怪我で欠くなか、ウーデゴー、オジャルサバル、メリーノが中心選手としてチームを牽引し、イサクやゲバラら新たな若手も台頭しつつある。そんなR・ソシエダの後半戦の目標は、欧州カップ戦の出場権獲得とコパ・デル・レイの上位進出だろう。スペクタクル性に安定感を加味するには、CFのW・ジョゼやGKのレミロを中心に、攻守の効率性をさらに磨くことが重要なポイントとなる。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部

※『ワールドサッカーダイジェスト』2020年1月16日号より加筆・修正

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