高校テニスの大舞台、「令和7年度全国高等学校総合体育大会テニス競技 第82回全国高等学校対抗テニス大会 第115回全国高等学校テニス選手権」(インターハイ)が、8月1日から広島県の福山市・竹ケ端運動公園庭球場と尾道市・こざかなくんスポーツパークびんごで開催された。
大会最終日の4日には個人戦各種目の決勝が行なわれ、男子シングルスでは第1シードの義基耀(三重・四日市工2年)が奈良恒輝(神奈川・湘南工大附1年)を6-4、7-5で下し、自身初となる全国タイトルを手にした。
義基は2023年の東海大会を制しており、全国でも上位を争う力を持ちながら、まだ全国のタイトルを手にしたことがなかった。今年3月の「全国選抜高校テニス大会」でもベスト4で戦いを終えている。第1シードとして臨んだ今大会についても、「優勝したいけど、その自信はなかった」と胸の内を明かす。
そんな義基を支えたのは、日頃から指導を受ける監督の言葉だった。
「監督から『自分が少しでも引いたら、それだけでミスにつながる』って言われていて、だから負けている時も勝っている時も、ラリー戦に持ち込んで攻める展開を増やすように意識しました」
この「リードされても攻め続ける」という指針が、メンタルの安定にもつながった。精神面でのブレが少なくなったことで、本来のパワフルなストロークを存分に発揮できたという。
決勝の相手は1年生の奈良。前日の準々決勝で第2シードの太田周(大分・大分舞鶴2年)、準決勝では第3シードの土海悠太(岡山・関西3年)に快勝して勝ち上がってきた注目の新鋭だ。
試合は立ち上がりで0-2とリードを許す展開となったが、そこでも気持ちを切らさず攻め続けて6-4で第1セットを先取。続く第2セットでも2-0から3ゲームを連取されるなど逆転を許す場面もあったが、集中力を高めて粘り強くプレー。得意とするアングルショットも随所で決まり、最後までアグレッシブな姿勢を貫いて7-5で勝利を収めた。
これまで手が届かなかった全国優勝を、ついに勝ち取った義基。ここ最近で最も成長を感じている点について問うと、こう答えた。
「前まではリードされると、自分の中で気持ちが沈んでしまって、『ダメだな...』と思って引いてしまう場面が多かったんです。でも最近は、そういう状況でも常に前向きに取り組むことができて、それが自信につながっていきました」
逆境でも引かずに攻め切る戦い方が、本来の持ち味を引き出し、義基を1つ上のステージへと押し上げた。
なお男子ダブルス決勝は、第1シードの岡橋優希/中前孝至朗(山梨・神村学園山梨3年)が松村怜/名雪楽工(神奈川・湘南工大附3年)を6-4、6-2で破り優勝。昨年大会は決勝で涙を呑んだが、今年はついに頂点へ立った。
中前は「リベンジで優勝できて本当にうれしい。ペアの優希と3年間組んできて、本当に感謝しかないです」と喜びを噛みしめ、岡橋も「孝至朗にたくさん助けてもらって、ここまで来られた。強い気持ちを持ってプレーできたのが良かった」と声を弾ませた。
◆男子シングルス決勝
〇義基耀②(三重・四日市工)6-4 7-5 奈良恒輝①(神奈川・湘南工大附)●
◆男子ダブルス決勝
〇岡橋優希③/中前孝至朗③(山梨・神村学園山梨)6-4 6-2 松村怜③/名雪楽工③(神奈川・湘南工大附)●
※名前の後の丸数字は学年
取材・文●前道右京(スマッシュ編集部)
【画像】令和7年度 全国高等学校総合体育大会 テニス競技、個人戦シングルス&ダブルス決勝、準決勝スナップ集
【関連記事】インターハイ個人戦、男子優勝は大分舞鶴の松永朔太郎!女子は法政二の野口紗枝が栄冠に輝く【全国高等学校総合体育大会テニス競技】<SMASH>
【関連記事】全国高等学校総合体育大会、男子個人戦優勝者が決定!単は大岐優斗が同校対決を制す。複は本山知苑/水野惺矢が逆転勝利<SMASH>
大会最終日の4日には個人戦各種目の決勝が行なわれ、男子シングルスでは第1シードの義基耀(三重・四日市工2年)が奈良恒輝(神奈川・湘南工大附1年)を6-4、7-5で下し、自身初となる全国タイトルを手にした。
義基は2023年の東海大会を制しており、全国でも上位を争う力を持ちながら、まだ全国のタイトルを手にしたことがなかった。今年3月の「全国選抜高校テニス大会」でもベスト4で戦いを終えている。第1シードとして臨んだ今大会についても、「優勝したいけど、その自信はなかった」と胸の内を明かす。
そんな義基を支えたのは、日頃から指導を受ける監督の言葉だった。
「監督から『自分が少しでも引いたら、それだけでミスにつながる』って言われていて、だから負けている時も勝っている時も、ラリー戦に持ち込んで攻める展開を増やすように意識しました」
この「リードされても攻め続ける」という指針が、メンタルの安定にもつながった。精神面でのブレが少なくなったことで、本来のパワフルなストロークを存分に発揮できたという。
決勝の相手は1年生の奈良。前日の準々決勝で第2シードの太田周(大分・大分舞鶴2年)、準決勝では第3シードの土海悠太(岡山・関西3年)に快勝して勝ち上がってきた注目の新鋭だ。
試合は立ち上がりで0-2とリードを許す展開となったが、そこでも気持ちを切らさず攻め続けて6-4で第1セットを先取。続く第2セットでも2-0から3ゲームを連取されるなど逆転を許す場面もあったが、集中力を高めて粘り強くプレー。得意とするアングルショットも随所で決まり、最後までアグレッシブな姿勢を貫いて7-5で勝利を収めた。
これまで手が届かなかった全国優勝を、ついに勝ち取った義基。ここ最近で最も成長を感じている点について問うと、こう答えた。
「前まではリードされると、自分の中で気持ちが沈んでしまって、『ダメだな...』と思って引いてしまう場面が多かったんです。でも最近は、そういう状況でも常に前向きに取り組むことができて、それが自信につながっていきました」
逆境でも引かずに攻め切る戦い方が、本来の持ち味を引き出し、義基を1つ上のステージへと押し上げた。
なお男子ダブルス決勝は、第1シードの岡橋優希/中前孝至朗(山梨・神村学園山梨3年)が松村怜/名雪楽工(神奈川・湘南工大附3年)を6-4、6-2で破り優勝。昨年大会は決勝で涙を呑んだが、今年はついに頂点へ立った。
中前は「リベンジで優勝できて本当にうれしい。ペアの優希と3年間組んできて、本当に感謝しかないです」と喜びを噛みしめ、岡橋も「孝至朗にたくさん助けてもらって、ここまで来られた。強い気持ちを持ってプレーできたのが良かった」と声を弾ませた。
◆男子シングルス決勝
〇義基耀②(三重・四日市工)6-4 7-5 奈良恒輝①(神奈川・湘南工大附)●
◆男子ダブルス決勝
〇岡橋優希③/中前孝至朗③(山梨・神村学園山梨)6-4 6-2 松村怜③/名雪楽工③(神奈川・湘南工大附)●
※名前の後の丸数字は学年
取材・文●前道右京(スマッシュ編集部)
【画像】令和7年度 全国高等学校総合体育大会 テニス競技、個人戦シングルス&ダブルス決勝、準決勝スナップ集
【関連記事】インターハイ個人戦、男子優勝は大分舞鶴の松永朔太郎!女子は法政二の野口紗枝が栄冠に輝く【全国高等学校総合体育大会テニス競技】<SMASH>
【関連記事】全国高等学校総合体育大会、男子個人戦優勝者が決定!単は大岐優斗が同校対決を制す。複は本山知苑/水野惺矢が逆転勝利<SMASH>
関連記事
- インターハイ個人戦、男子優勝は大分舞鶴の松永朔太郎!女子は法政二の野口紗枝が栄冠に輝く【全国高等学校総合体育大会テニス競技】<SMASH>
- インターハイ個人戦、第1シードを破った大分舞鶴の渡邊脩真、野田学園の上方璃咲が4強入り!【全国高等学校総合体育大会テニス競技】<SMASH>
- 【全日本ジュニアテニス】男子18歳以下シングルスは大岐優斗、ダブルスは本山知苑/水野惺矢がインハイに続き優勝!<SMASH>
- 【全国高等学校総合体育大会】男子個人戦優勝者が決定!単は大岐優斗が同校対決を制す。複は本山知苑/水野惺矢が逆転勝利<SMASH>
- 【全国選抜高校テニス大会】女子個人戦は大商学園の千葉陽葵が優勝!岡山学芸館の中島莉良を逆転で下す<SMASH>