男子第93回・女子第69回を迎えた「2025年度 全日本学生テニス選手権大会」(インカレ)が8月25日から三重県・四日市テニスセンターで開催され、大会最終日の31日に各種目の決勝が行なわれた。男子シングルスは第2シードの田中佑(筑波大学4年)と第3~4シードの岩本晋之介(関西大学4年)の対決となり、岩本が6-4、7-6(5)で勝利し、初優勝を飾った。
準決勝で昨年の覇者、高悠亜(日本大学4年)を破った田中と、同じく準優勝の丹下颯希(日大4年)を破った岩本。田中は関東学生トーナメントを3連覇している実力者ながらインカレでは早期敗退が続き、岩本はテニス人生を通して一度も全国優勝がないという2人の決勝は、共に4年生で最後のチャンスということもあって、激しいせめぎ合いとなった。
先手を取ったのは岩本だ。強烈なサービスとテンポの速いストロークで攻め立てると同時に、「1本でも多く相手コートに返す」という頑強さも見せて主導権を掌握。ブレークポイントを再三凌いで粘る田中を、ついに突き崩して5-4からブレークに成功し、第1セットを先取する。
しかし第2セットに入ると田中がギアアップ。「第1セットはバックを下がって打って攻め込まれたので、セカンドは下がらずに踏み込んで打ち、こちらから先に展開した」ことでラリーを支配、第3ゲームで先にブレークして優位に立つ。
落とし穴が待っていたのは田中4-2リードで迎えた岩本のサービスゲームだ。0-40と2つ目のブレークに手をかけた田中だが、30-40まで追い上げられたところで、甘いボールを叩かずにドロップショットを選択し、ネットにかけてしまう。
「あそこはブレークしたかったが、あのミスはキーになった」と田中。逆に岩本は「あれでちょっと流れが来た」と息を吹き返し、このゲームをキープすると、4-5から起死回生のブレークバックを果たし、タイに追いつく。
「1ポイントに集中してできることをやった。シンプルに1stサービスを入れる、簡単にミスしない、足を動かす、そういう基礎的なことを意識した」と岩本。その愚直なプレーが流れを呼び込み、岩本がタイブレークを取って、初のインカレ頂点に上り詰めた。
今まで縁のなかった“日本一”は、「たくさん試合を経験して自信がついたので、勝負強さを最後に出せた」結果だと岩本は言う。長年積み重なった悔しさが最後に大きな実を結んだ。
なお、男子ダブルス決勝はシングルスの再戦となり、田中/松永朔太郎(筑波大4年/1年)が堤隆貴/岩本(関大4年/4年)を7-6(4)、6-4で下し、田中が見事リベンジ。「正直シングルスが欲しかったけど、これが学生最後の個人戦なので優勝で終われて良かった」と笑顔を見せた。1年の松永は「大先輩がここまで連れてきてくれたので、来年以降は自分の力で頑張りたい」と闘志を新たにしていた。
◆男子シングルス決勝
岩本晋之介(関西大学4年)[3~4] 6-4 7-6(5) 田中佑(筑波大学4年)[2/WC]
◆男子ダブルス決勝
田中佑/松永朔太郎(筑波大学4年/1年)[5~8/WC] 7-6(4) 6-4 堤隆貴/岩本晋ノ介(関西大学4年/4年)
※[ ]内の数字はシード順位、WCはワイルドカード
取材・文●渡辺隆康(スマッシュ編集部)
【画像】2025年度全日本学生テニス選手権、シングルス&ダブルス決勝スナップ集
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準決勝で昨年の覇者、高悠亜(日本大学4年)を破った田中と、同じく準優勝の丹下颯希(日大4年)を破った岩本。田中は関東学生トーナメントを3連覇している実力者ながらインカレでは早期敗退が続き、岩本はテニス人生を通して一度も全国優勝がないという2人の決勝は、共に4年生で最後のチャンスということもあって、激しいせめぎ合いとなった。
先手を取ったのは岩本だ。強烈なサービスとテンポの速いストロークで攻め立てると同時に、「1本でも多く相手コートに返す」という頑強さも見せて主導権を掌握。ブレークポイントを再三凌いで粘る田中を、ついに突き崩して5-4からブレークに成功し、第1セットを先取する。
しかし第2セットに入ると田中がギアアップ。「第1セットはバックを下がって打って攻め込まれたので、セカンドは下がらずに踏み込んで打ち、こちらから先に展開した」ことでラリーを支配、第3ゲームで先にブレークして優位に立つ。
落とし穴が待っていたのは田中4-2リードで迎えた岩本のサービスゲームだ。0-40と2つ目のブレークに手をかけた田中だが、30-40まで追い上げられたところで、甘いボールを叩かずにドロップショットを選択し、ネットにかけてしまう。
「あそこはブレークしたかったが、あのミスはキーになった」と田中。逆に岩本は「あれでちょっと流れが来た」と息を吹き返し、このゲームをキープすると、4-5から起死回生のブレークバックを果たし、タイに追いつく。
「1ポイントに集中してできることをやった。シンプルに1stサービスを入れる、簡単にミスしない、足を動かす、そういう基礎的なことを意識した」と岩本。その愚直なプレーが流れを呼び込み、岩本がタイブレークを取って、初のインカレ頂点に上り詰めた。
今まで縁のなかった“日本一”は、「たくさん試合を経験して自信がついたので、勝負強さを最後に出せた」結果だと岩本は言う。長年積み重なった悔しさが最後に大きな実を結んだ。
なお、男子ダブルス決勝はシングルスの再戦となり、田中/松永朔太郎(筑波大4年/1年)が堤隆貴/岩本(関大4年/4年)を7-6(4)、6-4で下し、田中が見事リベンジ。「正直シングルスが欲しかったけど、これが学生最後の個人戦なので優勝で終われて良かった」と笑顔を見せた。1年の松永は「大先輩がここまで連れてきてくれたので、来年以降は自分の力で頑張りたい」と闘志を新たにしていた。
◆男子シングルス決勝
岩本晋之介(関西大学4年)[3~4] 6-4 7-6(5) 田中佑(筑波大学4年)[2/WC]
◆男子ダブルス決勝
田中佑/松永朔太郎(筑波大学4年/1年)[5~8/WC] 7-6(4) 6-4 堤隆貴/岩本晋ノ介(関西大学4年/4年)
※[ ]内の数字はシード順位、WCはワイルドカード
取材・文●渡辺隆康(スマッシュ編集部)
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