テニス四大大会「全米オープン」は大会8日目の現地8月31日に男子シングルス3回戦を実施。第25シードで元世界ランキング6位のフェリックス・オジェ-アリアシム(カナダ/現27位)が、2020年の同大会準優勝者で第3シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ/同3位)を4-6、7-6(7)、6-4、6-4で下し、ベスト16進出を決めた。
両者はこれが9度目の顔合わせ。最高峰の四大大会では21年のウインブルドン(イギリス・ロンドン/芝コート)4回戦で1度だけ対戦しており、この時はオジェ-アリアシムが6-4、7-6(6)、3-6、3-6、6-4のフルセットで勝利している。ただし通算対戦成績ではオジェ-アリアシムから2勝6敗と負け越しており、直近でもズベレフに2連敗していた。
だからこそ今回は最後まで攻めの姿勢を貫いた。2度のブレークを喫して第1セットを落としたオジェ-アリアシムだったが、タイブレークにもつれ込んだ第2セットはズベレフのセットポイントを凌いで奪取し1セットオールに。勢いに乗って第3セットも獲得すると、迎えた第4セットでも持ち前の力強いフォアハンドを軸に主導権を握り、1ブレークのリードを守り切って3時間48分の熱戦をものにした。
これまでオジェ-アリアシムは四大大会でトップ5選手に0勝6敗と1度も勝てていなかったが、7度目の挑戦でついに初勝利をゲット。試合後のオンコートインタビューでは次戦以降へ向けて気を引き締めつつ、心からの喜びをこう語った。
「本当に気持ち良い。僕はまだ若い方だけど、もう何年もこの大会でプレーしてきた。今夜初めて僕の試合を見た人もいるかもしれないけど、この結果は本当にうれしい。まだ大会は続いていくから、仕事が終わったわけではないけど、この勝利は僕にとって大きな意味がある。長年の努力が報われた」
確かに「長年の努力」が実を結んだ試合だったと言えよう。抜群の安定感を誇るズベレフを相手に先述の攻撃的なショットだけではなく、以前はほとんど見られなかったドロップショットでの前後の揺さぶりや、バックハンドのスライスを交えた緩急のあるストロークも駆使して難敵を撃破。今回の勝利はオジェ-アリアシムが技術面でも戦術面でも着実に成長していることを示すものとなった。
ベスト8入りを懸けた4回戦でオジェ-アリアシムが対戦するのは、過去1勝7敗と非常に相性が悪いアンドレイ・ルブレフ(ロシア/現15位)。次戦も進化したプレーで天敵を攻略できるか、期待は高まるばかりだ。
文●中村光佑
【動画】オジェ-アリアシムVSズベレフの「全米オープン」3回戦ハイライト
【画像】オジェ-アリアシムはじめ、2025全米オープンを戦う男子トップ選手たちの厳選フォト
【関連記事】渋谷、相撲、割り箸…。オジェ-アリアシムが東京を満喫する様子が「試合も観光も楽しんで」「クール」と大反響<SMASH>
両者はこれが9度目の顔合わせ。最高峰の四大大会では21年のウインブルドン(イギリス・ロンドン/芝コート)4回戦で1度だけ対戦しており、この時はオジェ-アリアシムが6-4、7-6(6)、3-6、3-6、6-4のフルセットで勝利している。ただし通算対戦成績ではオジェ-アリアシムから2勝6敗と負け越しており、直近でもズベレフに2連敗していた。
だからこそ今回は最後まで攻めの姿勢を貫いた。2度のブレークを喫して第1セットを落としたオジェ-アリアシムだったが、タイブレークにもつれ込んだ第2セットはズベレフのセットポイントを凌いで奪取し1セットオールに。勢いに乗って第3セットも獲得すると、迎えた第4セットでも持ち前の力強いフォアハンドを軸に主導権を握り、1ブレークのリードを守り切って3時間48分の熱戦をものにした。
これまでオジェ-アリアシムは四大大会でトップ5選手に0勝6敗と1度も勝てていなかったが、7度目の挑戦でついに初勝利をゲット。試合後のオンコートインタビューでは次戦以降へ向けて気を引き締めつつ、心からの喜びをこう語った。
「本当に気持ち良い。僕はまだ若い方だけど、もう何年もこの大会でプレーしてきた。今夜初めて僕の試合を見た人もいるかもしれないけど、この結果は本当にうれしい。まだ大会は続いていくから、仕事が終わったわけではないけど、この勝利は僕にとって大きな意味がある。長年の努力が報われた」
確かに「長年の努力」が実を結んだ試合だったと言えよう。抜群の安定感を誇るズベレフを相手に先述の攻撃的なショットだけではなく、以前はほとんど見られなかったドロップショットでの前後の揺さぶりや、バックハンドのスライスを交えた緩急のあるストロークも駆使して難敵を撃破。今回の勝利はオジェ-アリアシムが技術面でも戦術面でも着実に成長していることを示すものとなった。
ベスト8入りを懸けた4回戦でオジェ-アリアシムが対戦するのは、過去1勝7敗と非常に相性が悪いアンドレイ・ルブレフ(ロシア/現15位)。次戦も進化したプレーで天敵を攻略できるか、期待は高まるばかりだ。
文●中村光佑
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