100回目を迎えた「全日本テニス選手権」(正式名称:三菱電機ビルソリューションズ 全日本テニス選手権100th Supported by 橋本総業ホールディングス)が10月5日から東京・有明テニスの森公園(ハードコート)で開催されている。大会3日目の7日には男子シングルス1回戦に19歳のホープ、本田尚也(サトウGTC)が登場。第6シードの菊地裕太(みちのくコカコーラ)を6-2、3-6、6-4で下し、2回戦に駒を進めた。
本田はスペインの「ラファ・ナダルアカデミー」で腕を磨き、昨年のウインブルドン・ジュニアでベスト4入りした逸材。去年はジュニアとして全日本選手権に初出場してベスト16入りしたが、今年から一般のツアーに完全移行し、今大会では成長した姿を見せてくれた。
この1年で「一番変わったのはフィジカル」と本田は言う。「去年から体重が5キロは増えた。たくさん食べてたくさんトレーニングしているので、その面で自信がついたのが大きい。それに伴ってサーブやストロークの威力が上がったと思う」
昨年はまだ線が細く、タイミングの早さで勝負している印象があったが、今大会では見違えるほどガッシリした身体からパワーを増したショットを打ち込んでいた。ボール自体に重さがあり、スピンの威力で菊地を押し込んだり、サービスポイントを決める場面も多かった。
第1セットを簡単に奪った後、第2セットはギアを上げて攻めてきた菊地に奪い返され、第3セットも先にブレークされて2-4とリードを許すが、今度はそこで精神的なしぶとさを見せる。今シーズンの本田は1月にスペインのITFツアーで初優勝し、幸先の良いスタートを切ったが、その後は勝ち星が伸びず、特にフルセットマッチでは3月以降7連敗を喫していた。しかし今回は「先にブレークされても、しっかり気持ちを保ってプレーできた」と言う。
2-4から1つキープし、続くゲームでブレークバック。さらに5-4でも立て続けにブレークし、4ゲーム連取で試合を締めた。「気持ちが大きいが、フィジカルと気持ちは一緒。フィジカルが強化されたことも大きいと思う」と本田。久しぶりのフルセット勝利は心身両面の成長の証と言えよう。
本田は昨年でナダルアカデミーとの契約をひとまず終え、現在は東京のナショナルトレーニングセンターや有明を主な練習拠点にしているが、来年はヨーロッパ遠征に合わせてナダルアカデミーでの活動も考えているという。その視線はあくまで世界に据えたままだ。
先日のジャパンオープンでは出場選手たちのヒッティングパートナーを務め、ルネやシャポバロフ、ティアフォーらと打ち合った。練習というよりアップの相手が主だが、「トッププロのボールを受けて、自分に足りないところ、通用するところがわかった」と本田は語る。これもきっと今後の糧になることだろう。
100回目の全日本選手権は「もちろん取りに行きたい」という本田だが、「それ以上に、練習してきたものをここでどれだけ発揮できるか」を確かめたい気持ちが強い。今大会で1つでも多く成長の証を見つけてほしい。
取材・文●渡辺隆康(スマッシュ編集部)
本田はスペインの「ラファ・ナダルアカデミー」で腕を磨き、昨年のウインブルドン・ジュニアでベスト4入りした逸材。去年はジュニアとして全日本選手権に初出場してベスト16入りしたが、今年から一般のツアーに完全移行し、今大会では成長した姿を見せてくれた。
この1年で「一番変わったのはフィジカル」と本田は言う。「去年から体重が5キロは増えた。たくさん食べてたくさんトレーニングしているので、その面で自信がついたのが大きい。それに伴ってサーブやストロークの威力が上がったと思う」
昨年はまだ線が細く、タイミングの早さで勝負している印象があったが、今大会では見違えるほどガッシリした身体からパワーを増したショットを打ち込んでいた。ボール自体に重さがあり、スピンの威力で菊地を押し込んだり、サービスポイントを決める場面も多かった。
第1セットを簡単に奪った後、第2セットはギアを上げて攻めてきた菊地に奪い返され、第3セットも先にブレークされて2-4とリードを許すが、今度はそこで精神的なしぶとさを見せる。今シーズンの本田は1月にスペインのITFツアーで初優勝し、幸先の良いスタートを切ったが、その後は勝ち星が伸びず、特にフルセットマッチでは3月以降7連敗を喫していた。しかし今回は「先にブレークされても、しっかり気持ちを保ってプレーできた」と言う。
2-4から1つキープし、続くゲームでブレークバック。さらに5-4でも立て続けにブレークし、4ゲーム連取で試合を締めた。「気持ちが大きいが、フィジカルと気持ちは一緒。フィジカルが強化されたことも大きいと思う」と本田。久しぶりのフルセット勝利は心身両面の成長の証と言えよう。
本田は昨年でナダルアカデミーとの契約をひとまず終え、現在は東京のナショナルトレーニングセンターや有明を主な練習拠点にしているが、来年はヨーロッパ遠征に合わせてナダルアカデミーでの活動も考えているという。その視線はあくまで世界に据えたままだ。
先日のジャパンオープンでは出場選手たちのヒッティングパートナーを務め、ルネやシャポバロフ、ティアフォーらと打ち合った。練習というよりアップの相手が主だが、「トッププロのボールを受けて、自分に足りないところ、通用するところがわかった」と本田は語る。これもきっと今後の糧になることだろう。
100回目の全日本選手権は「もちろん取りに行きたい」という本田だが、「それ以上に、練習してきたものをここでどれだけ発揮できるか」を確かめたい気持ちが強い。今大会で1つでも多く成長の証を見つけてほしい。
取材・文●渡辺隆康(スマッシュ編集部)
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