男子テニス元世界ランキング3位のスタン・ワウリンカ(スイス/現158位)が自身の公式SNSで発信した“熱いメッセージ”が反響を呼んでいる。
ワウリンカと言えば代名詞の強烈な片手バックハンドで多くのファンを魅了してきた名手。これまでにツアー優勝16回、通算581勝を挙げ、最高峰の四大大会でも3度の優勝を経験している。
2014年全豪オープン決勝ではラファエル・ナダル(スペイン/元1位/昨年引退)を、15年全仏オープン決勝と16年全米オープン決勝ではノバク・ジョコビッチ(セルビア/元1位/現5位)を撃破。いずれも男子テニスの黄金期を築いた“ビッグ4”の一角から勝利したこともあり、彼の実力は世界中で高く評価されている。
そんなワウリンカも今や40歳。17年の「ジュネーブ・オープン」(クレーコート/ATP250)を最後にタイトルからは遠ざかっており、今季もここまでツアーでは3勝12敗と苦戦している。
今週本戦ワイルドカード(主催者推薦)で出場した母国開催の「スイス室内バーゼル」(10月20日~26日/スイス・バーゼル/室内ハードコート/ATP500)でもミオミル・ケツマノビッチ(セルビア/現52位)との1回戦こそ制して大会最年長勝利を挙げたものの、現地23日の2回戦では元2位のキャスパー・ルード(ノルウェー/現11位)に4-6、6-7(5)で敗れた。
なかなか思うような結果が出ないワウリンカだが、彼が現役を続ける理由には、単なる勝利への執着だけではない、テニスへの深い愛と挑戦への情熱、そしてファンへの感謝が込められている。以下は同選手がインスタグラムとX(旧Twitter)に投稿した内容だ。熱い思いが伝わってくる一文一文を紹介しよう。
「情熱(PASSION)――ある活動に対する強い好意や欲求、または献身。8歳でテニスを始めた時は、ただの遊びだった。それがやがて“情熱”になり、プロテニス選手になることが夢になった」
「アスリートというのは、人から“引き際”を決められがちだ。年を取ったり、かつてのレベルでプレーできなくなったり、ランキングや結果が悪くなったりすると、『もうやめるべきだ』と言われるものだ。だが情熱というのは、ただ結果を追い求めることではなく、自分の限界に挑み続けること。もう四大大会で優勝できなくてもいい。トップ10に戻れなくてもいい。自分の限界に挑む過程そのものが楽しいんだ」
「いつか引退の時は来るとわかっている。でもそれまでは常にベストを尽くして戦い続けるつもりだ。世界中のファンの皆さん、そして今週バーゼルで応援してくれた皆さん、本当にありがとう。皆さんの応援は、私にとって何よりも大切だ。だからこそ、私は自分を追い込み続けている」
感謝の気持ちを胸に、自分自身の限界に挑む――その姿勢こそ、40歳の彼を今もなお突き動かす原動力なのだろう。
文●中村光佑
【画像】テニスへの思いと戦い続ける理由を切々と綴ったワウリンカのX投稿
【関連記事】全仏初戦敗退の40歳ワウリンカ、現役を続けるか「まだはっきりわからない」と逡巡。「来年戻れる保証はない」<SMASH>
【関連記事】今季未勝利の39歳ワウリンカ。元世界2位の熟練コーチは「調子が良ければ世界のトップに勝てる」と太鼓判<SMASH>
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2014年全豪オープン決勝ではラファエル・ナダル(スペイン/元1位/昨年引退)を、15年全仏オープン決勝と16年全米オープン決勝ではノバク・ジョコビッチ(セルビア/元1位/現5位)を撃破。いずれも男子テニスの黄金期を築いた“ビッグ4”の一角から勝利したこともあり、彼の実力は世界中で高く評価されている。
そんなワウリンカも今や40歳。17年の「ジュネーブ・オープン」(クレーコート/ATP250)を最後にタイトルからは遠ざかっており、今季もここまでツアーでは3勝12敗と苦戦している。
今週本戦ワイルドカード(主催者推薦)で出場した母国開催の「スイス室内バーゼル」(10月20日~26日/スイス・バーゼル/室内ハードコート/ATP500)でもミオミル・ケツマノビッチ(セルビア/現52位)との1回戦こそ制して大会最年長勝利を挙げたものの、現地23日の2回戦では元2位のキャスパー・ルード(ノルウェー/現11位)に4-6、6-7(5)で敗れた。
なかなか思うような結果が出ないワウリンカだが、彼が現役を続ける理由には、単なる勝利への執着だけではない、テニスへの深い愛と挑戦への情熱、そしてファンへの感謝が込められている。以下は同選手がインスタグラムとX(旧Twitter)に投稿した内容だ。熱い思いが伝わってくる一文一文を紹介しよう。
「情熱(PASSION)――ある活動に対する強い好意や欲求、または献身。8歳でテニスを始めた時は、ただの遊びだった。それがやがて“情熱”になり、プロテニス選手になることが夢になった」
「アスリートというのは、人から“引き際”を決められがちだ。年を取ったり、かつてのレベルでプレーできなくなったり、ランキングや結果が悪くなったりすると、『もうやめるべきだ』と言われるものだ。だが情熱というのは、ただ結果を追い求めることではなく、自分の限界に挑み続けること。もう四大大会で優勝できなくてもいい。トップ10に戻れなくてもいい。自分の限界に挑む過程そのものが楽しいんだ」
「いつか引退の時は来るとわかっている。でもそれまでは常にベストを尽くして戦い続けるつもりだ。世界中のファンの皆さん、そして今週バーゼルで応援してくれた皆さん、本当にありがとう。皆さんの応援は、私にとって何よりも大切だ。だからこそ、私は自分を追い込み続けている」
感謝の気持ちを胸に、自分自身の限界に挑む――その姿勢こそ、40歳の彼を今もなお突き動かす原動力なのだろう。
文●中村光佑
【画像】テニスへの思いと戦い続ける理由を切々と綴ったワウリンカのX投稿
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