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海外テニス

40歳のワウリンカ!無念の逆転負けを喫するも、衰えることのないテニスへの情熱「プレーするのが本当に好きなんだ」<SMASH>

中村光佑

2025.04.08

モンテカルロ大会の1回戦でタビロに逆転負けを喫したワウリンカ。試合後の会見では悔しい敗戦を振り返り、飽くなきテニスへの情熱を語った。(C)Getty Images

モンテカルロ大会の1回戦でタビロに逆転負けを喫したワウリンカ。試合後の会見では悔しい敗戦を振り返り、飽くなきテニスへの情熱を語った。(C)Getty Images

 ビッグ4(ロジャー・フェデラー、ラファエル・ナダル、ノバク・ジョコビッチ、アンディ・マリー)が男子テニス界を席巻していた2010年代に四大大会のシングルスで3度の優勝を果たし、強力な片手バックハンドでファンを魅了してきた元世界ランキング3位のスタン・ワウリンカ(スイス/現163位)。40歳となった今もなお、彼のテニスへの情熱は衰えていない。

 今週は四大大会に次ぐグレードのマスターズ1000大会「ロレックス・モンテカルロ・マスターズ」(4月6日~13日/モナコ・モンテカルロ/クレーコート)に本戦ワイルドカード(主催者推薦/WC)で出場。現地7日に行なわれた1回戦ではアレハンドロ・タビロ(チリ/32位/27歳)とのツアー初対決を迎えた。

 試合の序盤は一回り以上年下のタビロを相手にワウリンカが圧巻のプレーを披露した。力強いフォアハンドを起点にテンポ良くポイントを重ね、相手に1ゲームしか与えずわずか20分で第1セットを先取。このままワウリンカが一気に勝利を決めるかと思われた。

 しかしその後はタビロの粘りのディフェンスに苦戦。さらには相手の前後を揺さぶる攻撃によって体力を削られ、接戦の末に第2セットを5-7で失ってセットオールに持ち込まれる。ファイナルセットも粘り及ばず、再び5-7で落として2時間27分で無念の逆転負けを喫した。

 勝てた試合だったからこそ悔しさが大きいとワウリンカは自身への苛立ちをあらわにする。敗戦後の記者会見では次のようにコメントした。
 
「今日は本当に悔しい敗戦だった。フラストレーションがたまる試合だったが、レベル自体は悪くなかった。ただ、こういう競った試合をものにするのに必要かつ大事な部分が、自分には欠けていた」

「年齢を重ねるごとに悔しさは増していく。なぜならキャリアの終わりが近づいていて、大会で勝ち上がるチャンスも減っていくとわかっているからだ。だから余計に悔しいよ。今日のような試合は、たった1ポイントが勝敗を分ける。重要な場面で少しリラックスしすぎていたのかもしれない。もっと積極的にいくべきだった場面もあったし、悪いタイミングでミスをしてしまった。それがこういう結果につながってしまった」

 この試合に勝っていれば2回戦で対戦するはずだった元世界王者のノバク・ジョコビッチ(セルビア/現5位)は大会前、ワウリンカが40歳になってもなおプレーしていることを称賛していた。それに応えるようにワウリンカはテニスへの情熱をこう語る。

「アスリートは一度引退してしまうと、特に年齢を重ねてからは競技に戻ることはできない。だからこそ、今この瞬間をできるだけ楽しみたいと思っている。テニスをプレーするのが、本当に好きなんだ。世界中の最高の大会でプレーできたという幸運にも恵まれたからこそ、もう少し続けたい。練習も、こうした大きな大会でプレーすることも全てが楽しい。それが今の自分の原動力になっている」

 この後は4月14日に開幕する「バルセロナ・オープン」(スペイン・バルセロナ/ATP500)に本戦WCでの参戦を予定しているワウリンカ。今後もまだまだ第一線で活躍する姿を見たいものだ。

文●中村光佑

【動画】ワウリンカVSタビロの「ロレックス・モンテカルロ・マスターズ」1回戦ハイライト

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