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海外テニス

父親を追いかけた息子が21歳でテニスツアー初優勝。キャスパー&クリスチャン・ルード親子の歩み

誉田優

2020.02.19

ATPカップにノルウェーのエースで出場したキャスパー・ルード(左)とキャプテンで父親のクリスチャン・ルード。(C)GettyImages

ATPカップにノルウェーのエースで出場したキャスパー・ルード(左)とキャプテンで父親のクリスチャン・ルード。(C)GettyImages

 ブエノスアイレスで開催されたアルゼンチンオープンにて、大会史上最年少チャンピオンが誕生した。21歳のキャスパー・ルードが決勝でポルトガルのペドロ・ソウザを破り、ノルウェー出身の選手として初のテニスATPツアー優勝を果たした。

 まだ21歳と若いが、プロに転向してから5年目。父親は元テニス選手で、世界ランキング最高39位のクリスチャン・ルードである。幼少期より父親のコーチングを受け、昨年はATP250のヒューストンの大会で初めてのツアーの決勝に進出。今年のATPカップではノルウェーのエースとして、19位のジョン・イズナー(アメリカ)や12位のファビオ・フォニーニ(イタリア)から勝ち星を挙げている。

 父親のクリスチャン・ルードはノルウェー出身の選手で唯一、世界ランキング50位以内に入った選手だった。1995年に、自己最高ランクの39位を経験したが、ATPツアーで優勝することは叶わず、キャスパーが生まれてから3年後の2001年に現役引退。翌年、4歳でテニスを始めた息子に夢を託した。
 
 現在、ラファエル・ナダルアカデミーでトレーニングを積んでいるキャスパーは、今回の優勝でランキングは34位へ上昇。父の記録を抜いて、今シーズンを走り出した。

 元々、クレーコートを得意としており、彼のツアーレベルのクレーコートの勝率は64%を超える(34勝19敗)。父親は課題として、他のサーフェスにも対応することだと語っており、同様のことを本人も感じているようだ。しかし、初優勝を飾ったのもクレーコートであるため、現段階では一番合っているサーフェスであることに疑いの余地はない。

 初優勝はコカ・コーラとアルゼンチンステーキで祝うと語る若き才能は、「もちろん優勝はうれしいが、ずっと喜んでいるわけにもいかない。次の試合を見据えなくては」と、大人らしい面もみせる。父親の記録を抜いた今、これからはノルウェーの歴史に名を刻みながら歩んでいく。

文●誉田優
フリーライター。早稲田大学スポーツ科学部卒業。
Twitter:yu__honda/Instagram:yu__honda
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