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海外テニス

「世界各地を巡るのは飽き飽きしてしまっているんだ」イタリアの暴れん坊フォニーニが、現在のツアーと自らの引退時期について語る

誉田優

2020.02.17

全豪オープンでは1、2回戦でフルセットの激闘を制した、現在ATP11位のフォニーニ。写真:山崎賢人(THE DIGEST写真部)

全豪オープンでは1、2回戦でフルセットの激闘を制した、現在ATP11位のフォニーニ。写真:山崎賢人(THE DIGEST写真部)

 イタリア出身のファビオ・フォニーニ、32歳。素晴らしい才能に恵まれながらも、激しい性格ゆえに結果が出ず問題を起こすこともあった。そんな彼が昨年、最高のキャリアを送った。デビューから16年目、自身の競技人生について、オランダのメディアNRCのインタビューに答えた。

「時には怠けたこともあった。もしもっと努力を重ねていれば、確実により良い成績を収めることができていただろう。トレーニングをしたり、トーナメントの準備をするよりも、ソファに座っている時間のほうが長かった時期もある」と、過去の自分について語った。

 だが、2016年、彼に転機が訪れた。同じテニス選手のフラビア・ペンネッタと結婚したことである。2017年には長男が誕生し、家族の存在がフォニーニを強くした。さらに、2019年4月に行なわれたモンテカルロ・マスターズでは準決勝でラファエル・ナダルを破り、優勝。「当たり前のことなのだけれど、自分が勝つということは、家族のための勝利をつかむということでもあるんだ。敗北の意味も、子どもを思うことで変わったよ。昔は、負けると1つのミスを何日も思い返してしまっていた。でも今は、なるべく早く忘れるようにしている」と、精神面の成長を明かす。
 
 2019年12月には、待望の第二子が生まれ二児の父となったフォニーニ。「今年の5月に、33歳になる。世界各地を巡るのは飽き飽きしてしまっているんだ。2人の子ども一緒に行くことができたら最高なんだけれど。でも、僕はテニス選手だ。2~3週間ごとに一度、家族の元へ帰れる。テニスと共に生きるのは難しいこともある。自分の試合に、イライラさせられてしまうこともあるからね。でも、その他の時は家族や友達と楽しく過ごしているよ。人生は一度きりしかないからね」と、子煩悩な姿を垣間見せた。

 また、「ロジャー・フェデラーとノバク・ジョコビッチがトップにいる時代に生きるのは、難しい。彼らのプレーは鮮やかで、隙がない。ナダルは身体能力が高くて、ラリーでも、精神的にも攻めてくる。だが、走り続ければ抗うことができる」と、同世代の選手についても言及した。

 フォニーニ自身はトップクラスの選手でいられなくなるまで、現役選手で居続ける覚悟だ。「まだエネルギーも残っているし、現役でいたい。身体に問題が起きるとか、もうトレーニングをしたくないと思ったらやめる。今は11位で、お金もたくさん稼いでいる。2、3年くらい現役で戦い続けて、ランキング上位に居続けられるのであれば、テニス選手であり続けたい。世界ランキングで著しく落ちてしまうようなことがあれば、『チャオ』といって引退する未来を考え始めるよ」と締めくくった。

 自称”怠け者”であったフォニーニだが、二児の父となり、その考え方も変わりつつある。多くのファンは独特なボールタッチからなる天才的なプレーをまだ待望している。

文●誉田優
フリーライター。早稲田大学スポーツ科学部卒業。
Twitter:yu__honda/Instagram:yu__honda

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