現地時間11月16日に行なわれた男子テニスシーズン最終戦「Nitto ATP ファイナルズ」（イタリア・トリノ／室内ハードコート／FIN）の決勝でライバルのヤニック・シナー（イタリア／現２位）に屈し、惜しくも最終戦初優勝を逃した世界王者のカルロス・アルカラス（スペイン）。スペインメディア『マルカ』によると、彼はシナー戦で負ったケガの状態を確認するため、近日中に検査を受ける予定だという。

　今年９月の全米オープンで四大大会６勝目を挙げた22歳のアルカラスは、シナーとの決勝でハムストリング（太もも）を負傷したとのこと。試合も接戦の末に6-7(4)、5-7で敗れ、スペイン勢として1998年のアレックス・コレチャ（元２位）以来となる最終戦優勝はならなかった。

　試合後のメディア対応でアルカラスは今回のケガについて「サービスを返そうとした時に、ハムストリングにちょっとした違和感を覚えた」と説明。それでも「パフォーマンスにそこまで大きく影響したとは思っていない。しっかりと走れていたし、ボールにもちゃんと追いつけていた」と言い訳はせず、とにかくシナーが自分より良いプレーをしたと素直に勝者を称えた。
  「いつもやっているような激しいプレーをしたらどうなるのかは時おり頭をよぎったが、良いプレーはできていた。『ハムストリングが万全だったらもっと良いプレーができたはず』とか、『何か別のことができていた』とは言えない。今日は本当に良いテニスができた。負けたのは、彼が勝利にふさわしいプレーをしたからだ」

　今大会の結果を受けて３年ぶり２度目の年間１位を確定させ、これにて今季を終了するかと思われていたアルカラスだが、なんと本日18日に開幕する男子国別対抗戦「デビスカップ（デ杯）・ファイナル８」（イタリア・ボローニャ／ハード）にも休む間もなく出場予定。それに先駆け、スペインテニス連盟のメディカルサービス責任者であるアンヘル・ルイス・コトロ医師によるハムストリングの検査を受けると報じられている。検査結果に問題がなければ、現地20日に予定されているチェコとの準々決勝でプレーする見込みだ。

　なおアルカラスは今季、全仏オープンと先述の全米オープンの四大大会２勝を含むツアー８タイトルを獲得。通算でも71勝９敗という圧倒的な成績を残した。

文●中村光佑

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