周知の通り近年のテニスツアーは男女共にスケジュールが過密化の一途をたどっており、現役選手からも批判の声が相次いでいる。男子現世界ランキング1位で四大大会6勝を誇る22歳のカルロス・アルカラス(スペイン)も選手の健康を考慮しないテニス界の現状を声高に糾弾してきた1人だ。
しかし、そんなアルカラスにも批判の矛先が向けられている。というのも彼は過密日程を非難しているにもかかわらず、エキジビションマッチ(非公式大会)に積極的に出場し、自ら多忙を助長しているような行動が見られるためだ。一部ファンや識者からは「言動に矛盾が見られる」といった指摘もなされている。
12月にはジョアオ・フォンセカ(ブラジル/現24位)やフランシス・ティアフォー(アメリカ/同30位)、1月には韓国でライバルのヤニック・シナー(イタリア/同2位)とのエキジビションが予定されていることから、22歳への批判はさらに熱を帯びている。単なる調整の一環なのか、それとも興行的価値を優先した判断なのか、議論は尽きる気配がない。
そんな中で先日アルカラス本人が『AP通信』の取材に応じ、物議を醸すエキジビション参加について真意を明らかにした。いわく、「ツアートーナメントとの負担の大きさの違い」が主な理由であり、束の間の息抜きとなる側面もあるという。
「ツアートーナメントは長く集中力を保たないといけないし、心身共に負担が大きいが、エキジビションは1日または短期間しか開催されない。その1試合のために集中力を保ちながらウォーミングアップをしつつ、少し練習するだけで済む」
一方で22歳は、エキジビションには“二面性”があるとし、参加意義をこう強調する。
「エキジビションは、色々な捉え方ができるものだ。純粋に楽しむために、いいテニスやいいショットを披露することもできるし、真剣に取り組んで戦術やパターンを試し、それをツアーで再現するための材料にすることもできる。僕自身はエキジビションにも真剣に取り組もうと思っているが、同時にできるだけ楽しみたいとも考えている」
すなわちアルカラスにとっては、エキジビションというのはツアーを見据えた調整の場であると同時に、ファンに自身の持ち味である“多彩なプレー”を楽しんでもらうエンターテインメントの場でもあるのだろう。そして、そこに積極的に出ていることこそ、彼の強さの秘訣なのかもしれない。
文●中村光佑
【画像】ジャパンオープンDAY7|アルカラスがストレートでフリッツに快勝しジャパンオープン初V!ダブルスのボパンナ/柚木は決勝で敗れ準優勝
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しかし、そんなアルカラスにも批判の矛先が向けられている。というのも彼は過密日程を非難しているにもかかわらず、エキジビションマッチ(非公式大会)に積極的に出場し、自ら多忙を助長しているような行動が見られるためだ。一部ファンや識者からは「言動に矛盾が見られる」といった指摘もなされている。
12月にはジョアオ・フォンセカ(ブラジル/現24位)やフランシス・ティアフォー(アメリカ/同30位)、1月には韓国でライバルのヤニック・シナー(イタリア/同2位)とのエキジビションが予定されていることから、22歳への批判はさらに熱を帯びている。単なる調整の一環なのか、それとも興行的価値を優先した判断なのか、議論は尽きる気配がない。
そんな中で先日アルカラス本人が『AP通信』の取材に応じ、物議を醸すエキジビション参加について真意を明らかにした。いわく、「ツアートーナメントとの負担の大きさの違い」が主な理由であり、束の間の息抜きとなる側面もあるという。
「ツアートーナメントは長く集中力を保たないといけないし、心身共に負担が大きいが、エキジビションは1日または短期間しか開催されない。その1試合のために集中力を保ちながらウォーミングアップをしつつ、少し練習するだけで済む」
一方で22歳は、エキジビションには“二面性”があるとし、参加意義をこう強調する。
「エキジビションは、色々な捉え方ができるものだ。純粋に楽しむために、いいテニスやいいショットを披露することもできるし、真剣に取り組んで戦術やパターンを試し、それをツアーで再現するための材料にすることもできる。僕自身はエキジビションにも真剣に取り組もうと思っているが、同時にできるだけ楽しみたいとも考えている」
すなわちアルカラスにとっては、エキジビションというのはツアーを見据えた調整の場であると同時に、ファンに自身の持ち味である“多彩なプレー”を楽しんでもらうエンターテインメントの場でもあるのだろう。そして、そこに積極的に出ていることこそ、彼の強さの秘訣なのかもしれない。
文●中村光佑
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