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海外テニス

超一流の「移動術」とは?名手ジョコビッチが20年以上にわたるテニスツアー生活で確立した、脳をリセットする究極の遠征哲学<SMASH>

スマッシュ編集部

2026.01.16

今年でプロ生活24年目を迎えるジョコビッチが過酷な世界ツアーを支える独自の旅ルーティンを明かした。(C)Getty Images

今年でプロ生活24年目を迎えるジョコビッチが過酷な世界ツアーを支える独自の旅ルーティンを明かした。(C)Getty Images

 新シーズンが幕を開け、再び世界を転戦する日々に戻ったノバク・ジョコビッチ(セルビア/世界ランキング4位)。間もなく開幕する「全豪オープン」で前人未到の四大大会25勝に挑む38歳の強さは、長年の経験で磨き上げた「旅との向き合い方」にも支えられているようだ。

 米旅行誌『Travel + Leisure』のインタビューで、時差ボケ対策からホテル選び、さらには意外な弱点まで、ツアー生活の実像を語っている。

 20年以上にわたり世界中を飛び回ってきたジョコビッチにとって、時差ボケは避けがたい課題であり、うまく克服してきたテーマでもある。機内での過ごし方から到着後の行動まで、細部にわたって自分なりのルーティンを確立してきたという。

「時差ボケを避けるためにできる小さなことはたくさんあります。飛行機では水分を過剰に摂ります。可能であれば、水にレモンやミント、塩を加えます。ホテルに着いたら、できるだけ早く素足で自然の地面に立ち、その後エプソムソルト(硫酸マグネシウムの入浴剤)を入れた熱いお風呂に入ります。そして最初の朝は、脳をリセットするために日の出を見るようにしています」

 長距離移動が日常となるツアー生活では、移動時間そのものの快適さも重視している。機内では窓側の席を好み、軽食にも気を配る。また、もし長時間のフライトで隣に座る相手を選べるとしたら、という問いには、少年時代の記憶に結びついた名前を挙げた。

「ピート・サンプラスとモニカ・セレスです。子どもの頃の憧れでしたし、今でも2人を尊敬しています。できるだけ長いフライトで、真ん中の席に座って、その時間を思いきり楽しみたいですね」
 
 滞在先のホテルについても、長年のツアー生活で好みははっきりしている。重視するのは、眺望と寝具、そして身体に負担をかけない環境だ。特に空気には強いこだわりがあり、どれほど設備が整っていても、窓が開かない部屋は受け入れられないという。

「素晴らしい眺めと、素晴らしいマットレスは、良いホテルの部屋にとって最も重要です。室内は配線が目立たず、ミニバーも健康志向であることが理想です。窓を開けられないホテルの部屋は本当に嫌。新鮮な空気が必要なんです。暑くても寒くても、窓を開けたい」

 首が長く、市販の枕が合わなかった経験から、今ではテンピュール製の自分専用枕を世界中に持ち歩くのも常となった。さらに、機内持ち込み荷物の中には、本人が「かなり奇妙だ」と笑う迷走神経刺激装置といった、一般にはあまり知られていないアイテムも含まれている。

 もはやパーフェクトな旅の達人に見えるジョコビッチだが、ツアー生活において唯一と言っていい弱点もある。それが荷造りだ。

「荷造りに関して言えば、私はおそらく地球上で最悪の人間です。妻は、私がいつも家中に開けっぱなしのスーツケースを置いているので、気が気じゃありません。服を畳む作業が本当に苦痛なんです。正直、最近の新しい戦略は、もう荷ほどきをしないこと。荷ほどきをしなければ、荷造りを心配する必要もないから」

 世界を転戦する日々のなかで培われた、細やかな工夫。その積み重ねが、今なおトップに立ち続けるジョコビッチの日常を形作っている。

構成●スマッシュ編集部

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