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【伊達公子】全仏オープンの特徴であるレッドクレーでの戦い方<SMASH>

伊達公子

2026.05.01

「考えることがたくさんあるため、頭も心も疲れてきます」と言う伊達公子さん。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

 5月24日の日曜日から、四大大会の1つである「全仏オープンテニス」が開幕します。この大会の特徴はサーフェスがレッドクレーであるという点です。

 レッドクレーではラリーが長くなるため、フィジカルのタフさは当然ですが、メンタルのタフさも必要になってきます。日本人選手はレッドクレーのサーフェスで練習する機会が少ない中で、クレーシーズンを乗り切らなくてはいけません。普段練習しているハードコートよりも考えることがたくさんあるため、頭も心も疲れてきます。うまくいかないことの方が多いので、メンタル的にタフでいなくてはいけません。

 アジア人にとってだけではなく、アメリカにはグリーンサンドと呼ばれるクレーコートがありますがヨーロッパの選手たちからするとハードコートのようだと表現する人もいます。よってアメリカ人にとってもレッドクレーはあまり慣れていないサーフェスです。ただ、アメリカ人は割り切っているように見えますね。クレーに合わせてプレーを変えるより、自分のスタイルを貫き通して戦う傾向にあります。

 ヨーロッパの選手たちは、テニスを始めた頃からレッドクレーに慣れ親しんでいます。もちろんハードコート向きの選手もいますが、小さい時からレッドクレーでプレーをしていると、身体が勝手に反応し、発想も自然と出てきます。慣れていないと、意識しないとできません。現役時代、クレーコーターと試合をすると、遊ばれているような気分になったことを覚えています。
 
 レッドクレーのプレーでは、ベースラインでの立つ位置が変わったり、戦術的には高低差を付けることと、前後の揺さぶりと角度を付けることを織り交ぜていくとことを考えなくてはいけません。速さだけの勝負にはならないのです。

 苦労してポイントをとっても、次にリターンからドロップショットを打たれてポイントを失うというようなことが多々起きます。そうなるとガックリと来て、頭が疲れていきます。

 自分は常に広い範囲で動かされているのに、相手はあまり動いてないと感じることも多いです。クレーでは試合時間も長くなりますし、ショットの高低差があることで筋力も使わなくてはいけないため疲れます。ハムストリング、内転筋やお尻の筋肉への負担は大きいです。

 見る側がらすると、走る距離と高さをうまく使う点が醍醐味になります。アドサイドの1stサービスでスピードを落として外に跳ねるようなサービスを打ちオープンコートを作るようなプレーもクレーならではです。いかにオープンスペースをうまく作るかが特徴で、見ていて面白い点でしょう。

文●伊達公子
撮影協力/株式会社SIXINCH.ジャパン

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