専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
海外テニス

【プロの観戦眼45】柚木武の豪速+多彩なサービスにアグレッシブなボレー! リターンは格段に向上~奥大賢<SMASH>

前道右京(スマッシュ編集部)

2026.05.08

左足を寄せてタメを作り(1~3コマ目)、右足の蹴り出しで一気に解放。さらに身体のひねり戻しを連動させ(4、5コマ目)、大きなパワーを生み出している。右下は奥大賢氏。写真:滝川敏之

左足を寄せてタメを作り(1~3コマ目)、右足の蹴り出しで一気に解放。さらに身体のひねり戻しを連動させ(4、5コマ目)、大きなパワーを生み出している。右下は奥大賢氏。写真:滝川敏之

 このシリーズでは、多くのテニスの試合を見ているプロや解説者に、「この選手のここがスゴイ!」という着眼点を教えてもらう。試合観戦をより楽しむためのヒントにしてほしい。

 第45回は元全日本選手権覇者で、現在はプロ選手やトップジュニアを指導する奥大賢氏に聞いた。

 奥氏が注目するのは、ダブルスを主戦場にツアーを回り、着々と力を伸ばしてきた27歳の柚木武。昨年9月のジャパンOPでは準優勝を果たし、今年2月のデ杯では接戦を制し、日本チームに貴重な1勝をもたらした。

 そんな彼の最大の武器は、身長196センチの体格から放たれるサービスだ。奥氏は、時速240キロを超えるスピードに加え、「どのコースにも高いクオリティで打ち分けられる点」を高く評価する。

「センターへのフラットはもちろん破壊力がありますが、左利き特有のアドサイドからワイドに切れていくスライスも強烈です。相手はコースの予測が外れれば、一歩も動けません。

 セカンドサービスは回転量が多く、デュースサイドからワイドに跳ねるスピンもあれば、身体に食い込むスライスも打てます。日本人選手の中でも、ここまで総合力の高いサービスを持つ選手はなかなかいないと思います」
 
 また、「ネットでの積極性も彼の真骨頂」と奥氏は続ける。「前衛では相手の強打にも恐れず、ポーチの思い切りがいい。後衛の時も猪突猛進ばりに一気に詰め、パートナーのポジションを追い越す勢いで前に出ていきます」

 サービス力に加え、迷いのないネットプレー。この攻撃が相手に大きなプレッシャーを与えている。だが、武器はそれだけではない。最近は「リターンも格段に向上している」という。担当するデュースサイドからは、フォアで積極的に攻められるようになったそうだ。

「センターに来たサービスをフォアの厚い当たりで逆クロスへ運べるようになりましたし、角度をつけて展開を変えられます。ストレートへのダウン・ザ・ラインも狙えるようになりました」

 強力なサービスと果敢なネットプレー、そして精度を増したリターン。ポイントの主導権をどう握るのか、その攻撃的な組み立てに注目してみよう。

◆柚木武
1998年9月22日生まれ。身長196cm、体重95kg。左利き、両手BH。法政大学出身。2020年にプロ転向し、ダブルスを中心にツアーを転戦。24年に全日本選手権を制覇した。25年は全豪OPで四大大会本戦初出場を果たし、ジャパンOPではボパンナと組んで準優勝を飾る。同年10月には自己最高の世界ランク85位を記録。今年2月開催のデ杯ではダブルスを任され、日本チームに1勝をもたらした。

取材・文●前道右京(スマッシュ編集部)
※『スマッシュ』2026年5月号を再編集

【連続写真】タメとひねり戻しでパワーを生む柚木武のサービス「30コマの超分解写真」

【関連記事】プロの観戦眼44、オープンスタンス全盛の今、左足の「フロントステップ」を多用し、パワーと安定感を両立するシナーに注目~丸山薫<SMASH>

【関連記事】プロの観戦眼43、パワー化が進む現代テニスにおいて、時間を操って相手を揺さぶるムゼッティに注目!~宮崎靖雄<SMASH>

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号

  • soccer_digest

    5月9日(土)発売

    定価:980円 (税込)
  • world_soccer_digest

    5月7日(木)発売

    定価:890円 (税込)
  • smash

    4月21日(火)発売

    定価:800円 (税込)
  • dunkshot

    4月24日(金)発売

    定価:1100円 (税込)
  • slugger

    4月10日(金)発売

    定価:1200円 (税込)