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海外テニス

「とても悲しく、つらい」ベラルーシ選手への大会出場制限解除にウクライナのスビトリーナが悲痛な訴え「戦争はまだ続いている」<SMASH>

中村光佑

2026.05.12

国際オリンピック委員会によるベラルーシ選手への制限解除勧告に、スビトリーナが強い失望感を表した。(C)Getty Images

国際オリンピック委員会によるベラルーシ選手への制限解除勧告に、スビトリーナが強い失望感を表した。(C)Getty Images

 現在開催中の女子テニスツアー公式戦「イタリア国際」(5月5日~17日/イタリア・ローマ/クレーコート/WTA1000)のシングルスで、ベスト8進出を決めた元世界ランキング3位のエリーナ・スビトリーナ(ウクライナ/現10位)が、大会期間中の記者会見に出席。その中で、国際オリンピック委員会(以下IOC)によるベラルーシ人アスリートの国際大会出場制限の解除勧告に失望感をあらわにした。

 2022年2月にロシアによるウクライナ侵攻が発生して以降、複数の国際スポーツ統括団体は、ロシアおよびベラルーシ人アスリートに対し、国名や国旗を使用しない中立の立場での国際スポーツ大会参加を認めている。これは、両国がスポーツを戦争のプロパガンダに利用する可能性への懸念を踏まえた措置だった。ベラルーシは侵攻への直接関与こそないものの、ロシアの主要同盟国と見なされている。

 そうした中でIOCは今月7日、「戦争や紛争への関与を含め、政府の行動を理由に選手の国際大会参加が制限されるべきではない」との声明を発表し、ベラルーシ人アスリートへの制限解除を勧告していた。一方で、ロシア人アスリートに対しては同様の勧告を行なっておらず、その理由についてはロシア・オリンピック委員会(以下ROC)に対する懸念が残っているためだと説明。IOCはROCの資格停止問題について「建設的な協議」が続いていることも明かしている。

 未だに戦争が続く中での今回の方針転換には、ウクライナ側から反発の声が上がっており、同国の支援を目的とした政府運営プラットフォーム「UNITED24」のアンバサダーを務めるスビトリーナもそうした声に同調する形で次のように発言した。
 
「戦争はまだ続いています。今もロケット弾がウクライナへ撃ち込まれていて、あの2国は未だ侵略国と見なされています。だからこそ、今回の制限解除は私にとってとても悲しく、非常につらいことです。私は間違いなく、それを支持しません」

 また最近では、ウクライナ人女子テニス選手のオレクサンドラ・オリイニコワ(現68位)が、ロシア出身のポリーナ・クデルメトワ(ウズベキスタン/女子現123位)とカレン・ハチャノフ(ロシア/男子現15位)がロシア軍の象徴とされる「聖ゲオルギーのリボン」を公の場で使用したことを批判。その結果、オリイニコワはWTA(女子テニス協会)側から制裁を示唆されたと主張していた。

 しかしこの件についてスビトリーナは、「オレクサンドラからもっと詳しく話を聞きたいと思っています。まだ彼女とは話せておらず、発言の真意を理解できていません」と述べるにとどめ、慎重な姿勢を見せた。

 なおIOCの勧告後も国際テニス連盟(ITF)は、ロシアおよびベラルーシ人選手に対し、中立資格での大会参加を認める現行方針に変更はないとしている。一方でベラルーシ・テニス連盟のITF加盟資格の扱いについては、今年後半の年次総会(AGM)で議論される見通しとなっている。

文●中村光佑

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