開催中のテニス四大大会「全仏オープン」男子シングルス2回戦で敗れたアドルフォ・ダニエル・バレホ(パラグアイ/世界ランキング71位)が試合後に性差別的な発言をし、大会側が罰金を科す方針を示すなど、波紋を広げている。
事の発端は5月28日に行なわれたフランスの新鋭、モイズ・クアメ(318位)との試合。弱冠17歳のクアメはフランス期待の星で、この3月にはマスターズ1000の「マイアミ・オープン」史上最年少の本戦勝者となり話題をさらった。
そのクアメと、全仏会場で2番目に大きいコート・スザンヌ・ランランでバレホは戦ったのだから、孤立無援となるのは目に見えている。試合はクアメが2セットを先取、バレホは必死の反撃で第3、第4セットを奪い返してタイに追いつくが、ファイナルセットはスタンドを埋めた観客の熱狂的な応援に後押しされたクアメが奮起し、タイブレーク10-8で勝利を手にした。
問題となったのは、敗れたバレホが試合後にテニス専門メディア『CLAY』のインタビューで発したコメントだ。
「こういう試合は男性が審判を務めるべきだ。女性が務めるのは非常に難しい」
フランスのファンが時に度を越して自国選手を応援し、相手のプレーの妨げになるのは周知のことではある。バレホの言い分は「観客の反応が非常に激しいので、そのプレッシャーに対抗するには相当な力が必要だ。だから男性が審判を務めなければならない」という論理。
具体的には相手がポイント間に地面に寝転がって時間を浪費したり、激しいラリー後に観客の叫び声がやまなかった時、主審がそれに対応しなかったことを挙げ、「体力勝負の試合では、選手に時間を与えれば当然それを悪用されるだろう」などと主張した。
しかしこれは明らかに男女を差別する発言で、フランステニス連盟と大会主催者は容認しなかった。
「審判の能力は性別ではなく、プロ意識と最高レベルでの審判能力によって決まる。スポーツイベントの結果がどうであれ、そのような発言を正当化したり、弁解したりする理由には決してならない」との声明を発表。バレホに対し「罰金という形で重大な制裁を科す」ことを決めた上で、「あらゆる性差別的な発言を強く非難し、当該審判、そして大会の全ての審判員を支持する」と宣言した。
バレホはその後、自身のインスタグラムのストーリーズで下記のように弁解している。
「私の発言は、誤解されたような意味ではないことを明確にしておきたい。審判およびその仕事ぶりには敬意を払っている。5時間に及ぶ激闘の後、私は非常に興奮し、感情が高ぶっていた。申し訳ありませんでした。また、敗戦の責任を彼女に押し付けたわけでもない。彼女は試合を通して素晴らしい仕事をしてくれた」
バレホといえば今春、パラグアイ人として史上3人目のトップ100入りを果たし、地理的不利を克服した苦労話が話題となった選手である。将来が嘱望される22歳だが、記念すべき年に一つ大きな汚点を残してしまった。
構成●スマッシュ編集部
【画像】バレホ、クアメら「全仏オープン2026」を戦う男子トップ選手たちの厳選フォト!
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そのクアメと、全仏会場で2番目に大きいコート・スザンヌ・ランランでバレホは戦ったのだから、孤立無援となるのは目に見えている。試合はクアメが2セットを先取、バレホは必死の反撃で第3、第4セットを奪い返してタイに追いつくが、ファイナルセットはスタンドを埋めた観客の熱狂的な応援に後押しされたクアメが奮起し、タイブレーク10-8で勝利を手にした。
問題となったのは、敗れたバレホが試合後にテニス専門メディア『CLAY』のインタビューで発したコメントだ。
「こういう試合は男性が審判を務めるべきだ。女性が務めるのは非常に難しい」
フランスのファンが時に度を越して自国選手を応援し、相手のプレーの妨げになるのは周知のことではある。バレホの言い分は「観客の反応が非常に激しいので、そのプレッシャーに対抗するには相当な力が必要だ。だから男性が審判を務めなければならない」という論理。
具体的には相手がポイント間に地面に寝転がって時間を浪費したり、激しいラリー後に観客の叫び声がやまなかった時、主審がそれに対応しなかったことを挙げ、「体力勝負の試合では、選手に時間を与えれば当然それを悪用されるだろう」などと主張した。
しかしこれは明らかに男女を差別する発言で、フランステニス連盟と大会主催者は容認しなかった。
「審判の能力は性別ではなく、プロ意識と最高レベルでの審判能力によって決まる。スポーツイベントの結果がどうであれ、そのような発言を正当化したり、弁解したりする理由には決してならない」との声明を発表。バレホに対し「罰金という形で重大な制裁を科す」ことを決めた上で、「あらゆる性差別的な発言を強く非難し、当該審判、そして大会の全ての審判員を支持する」と宣言した。
バレホはその後、自身のインスタグラムのストーリーズで下記のように弁解している。
「私の発言は、誤解されたような意味ではないことを明確にしておきたい。審判およびその仕事ぶりには敬意を払っている。5時間に及ぶ激闘の後、私は非常に興奮し、感情が高ぶっていた。申し訳ありませんでした。また、敗戦の責任を彼女に押し付けたわけでもない。彼女は試合を通して素晴らしい仕事をしてくれた」
バレホといえば今春、パラグアイ人として史上3人目のトップ100入りを果たし、地理的不利を克服した苦労話が話題となった選手である。将来が嘱望される22歳だが、記念すべき年に一つ大きな汚点を残してしまった。
構成●スマッシュ編集部
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