ミオミル・ケツマノビッチは1999年生まれ。今年で20歳となる、プロデビューから3年目の選手だ。急成長を見せる、このセルビアの若き才能について、ATPツアー公式サイトが特集した。
「今年の目標は30位以内に入ることだ。実際に入れたとしたら、とても素晴らしいと思う。だから、一歩ずつ努力していくんだ。届きそうにもないゴールを設定してしまったら、シーズンが終わった時にがっかりしてしまうから、そんなことはしたくない。着実に積み上げた結果として目標達成するのがパーフェクトだよ」
そう話すケツマノビッチは、2019年初頭に120位台だったランキングを50位台にまでジャンプアップさせ、ネクストジェンファイナルズにも出場した。その躍進のきっかけとして、欠かせなかった出来事がある。テネリフェテニスアカデミーで、ドミニク・ティーム、ダビド・ゴファン、ヤン‐レナード・ストルフら多くのトッププレーヤーと練習をしたことだ。
さらに今年のオフシーズンには、ドバイにてノバク・ジョコビッチとロジャー・フェデラー、そしてロシアのカレン・ハチャノフとともに研鑽を積んだ。ケツマノビッチは、ツアートップレベルで活躍する彼らが、いかにボールを早く扱い、対戦相手にプレッシャーを与えるのかを学んだという。
「フットワークが断然違ったよ。テニスで一番大切なことなんじゃないかな。ボールのどこを叩いて、どういうショットを打てばいいかは誰でも知っている。でも僕は、フットワークこそが重要で、相手の打つコースを早く確認して、そこに走っていくことが大事だと思う。ボールが来るのを待っているんじゃなくて、アグレッシブに向かっていくんだ」
トッププロから学んだことを日々の練習に取り入れ始めたケツマノビッチは、自身の成長を実感する場面が何度もあったという。
「彼らとプレーすると、全く違った感覚を味わうことになる。彼らのレベルがどのくらいかで、そこに追いつくには何をしなければいけないのかが見え始めるんだ。少しだけど、確実にうまくなった実感がある。ここ1年間のツアーで、彼らと互角に戦えるようになったと感じたよ。最終的に彼らのレベルまで到達するために何をするべきかがはっきりとわかった」
さらに精神面でも成長が見られた。
「僕は若いから、何も見えていなかった。大舞台で戦ったことがなかったんだ。でも今は経験がある。そのおかげで、試合に違う気持ちで挑めるんだ。勝てると思って挑むことで、よりチャレンジできる。常にチャレンジし続けることで、自分を信じる心が生まれる。好循環だ。去年は、1年間を通して高いレベルで試合に挑めたよ。怪我も無かった。この循環を続けられることは、幸福だよ」
トッププロと練習を積むことで、技術面、メンタル面をレベルアップさせたケツマノビッチ。目標の30位にはもう、手が届きそうだ。
文●誉田優
フリーライター。早稲田大学スポーツ科学部卒業。
Twitter:yu__honda/Instagram:yu__honda
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「今年の目標は30位以内に入ることだ。実際に入れたとしたら、とても素晴らしいと思う。だから、一歩ずつ努力していくんだ。届きそうにもないゴールを設定してしまったら、シーズンが終わった時にがっかりしてしまうから、そんなことはしたくない。着実に積み上げた結果として目標達成するのがパーフェクトだよ」
そう話すケツマノビッチは、2019年初頭に120位台だったランキングを50位台にまでジャンプアップさせ、ネクストジェンファイナルズにも出場した。その躍進のきっかけとして、欠かせなかった出来事がある。テネリフェテニスアカデミーで、ドミニク・ティーム、ダビド・ゴファン、ヤン‐レナード・ストルフら多くのトッププレーヤーと練習をしたことだ。
さらに今年のオフシーズンには、ドバイにてノバク・ジョコビッチとロジャー・フェデラー、そしてロシアのカレン・ハチャノフとともに研鑽を積んだ。ケツマノビッチは、ツアートップレベルで活躍する彼らが、いかにボールを早く扱い、対戦相手にプレッシャーを与えるのかを学んだという。
「フットワークが断然違ったよ。テニスで一番大切なことなんじゃないかな。ボールのどこを叩いて、どういうショットを打てばいいかは誰でも知っている。でも僕は、フットワークこそが重要で、相手の打つコースを早く確認して、そこに走っていくことが大事だと思う。ボールが来るのを待っているんじゃなくて、アグレッシブに向かっていくんだ」
トッププロから学んだことを日々の練習に取り入れ始めたケツマノビッチは、自身の成長を実感する場面が何度もあったという。
「彼らとプレーすると、全く違った感覚を味わうことになる。彼らのレベルがどのくらいかで、そこに追いつくには何をしなければいけないのかが見え始めるんだ。少しだけど、確実にうまくなった実感がある。ここ1年間のツアーで、彼らと互角に戦えるようになったと感じたよ。最終的に彼らのレベルまで到達するために何をするべきかがはっきりとわかった」
さらに精神面でも成長が見られた。
「僕は若いから、何も見えていなかった。大舞台で戦ったことがなかったんだ。でも今は経験がある。そのおかげで、試合に違う気持ちで挑めるんだ。勝てると思って挑むことで、よりチャレンジできる。常にチャレンジし続けることで、自分を信じる心が生まれる。好循環だ。去年は、1年間を通して高いレベルで試合に挑めたよ。怪我も無かった。この循環を続けられることは、幸福だよ」
トッププロと練習を積むことで、技術面、メンタル面をレベルアップさせたケツマノビッチ。目標の30位にはもう、手が届きそうだ。
文●誉田優
フリーライター。早稲田大学スポーツ科学部卒業。
Twitter:yu__honda/Instagram:yu__honda
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