今季限りでの現役引退を表明している男子テニス元世界ランキング4位の錦織圭(現479位)に対し、海外テニスメディア『Tennis TieBreaks』が8月15日に更新した公式インスタグラム(@tennistiebreaks)で長文のメッセージを公開。度重なる故障に見舞われながらも、そのたびに再起を目指してきた36歳のキャリアに最大級の敬意を示した。
同メディアは錦織の写真とともに、ライターのロレンツォ・ロトローニ氏が綴った「Dear Kei(親愛なる圭へ)」から始まる手紙を掲載。冒頭では「あなたはこれまで、身体の問題に何度も行く手を阻まれてきた。それでも、心まで立ち止まったことは一度たりともなかった」と記し、幾度となく故障とリハビリを繰り返してきた錦織の競技人生を振り返った。
「かつての自分を取り戻せそうになるたびに、新たなケガに見舞われ、再びリハビリに励み、ランキングを一から築き直す。そして、また新たなスタートを切る。多くの選手はキャリアを通じて自らの最高到達点を追い求めるものだ。あなたはそこへたどり着いては遠ざかり、それでも再びその高みを目指そうと自らを奮い立たせてきた」
さらにロトローニ氏は、2014年の「マドリード・オープン」(クレーコート/ATP1000)決勝で赤土の王者ラファエル・ナダル(スペイン/元1位)を相手に圧巻のプレーを見せながら、負傷により無念の途中棄権を余儀なくされた一戦にも言及。「もし錦織圭の身体が、彼のテニスについていくことのできる身体だったなら、彼は一体どこまで行けたのだろう?」と問いかけた。
一方で、数々の故障によって実現できなかったことだけで錦織を語るのは「フェアではない」と強調。世界ランキング4位、ツアー12勝、16年リオ五輪での銅メダル、14年全米オープンでのアジア人男子史上初となる四大大会シングルス決勝進出などの輝かしい功績を挙げつつ、「あなたは日本のみならず、アジアのテニス界にとって1つの基準となった」と称賛した。
また手紙の終盤でも、「私があなたのキャリアから学んだのは、立ち直る強さとは必ずしも倒れることを拒むことではないということだ。時には、再びゼロからのスタートを切ることを恥じないことこそが、本当の強さなのだと思う」と記し、改めてその不屈の精神を称えている。
そして最後には「決して立ち止まらなかったあなたへ。ありがとう、ケイ」と感謝を伝え、全文をこう締めくくった。
「あなたの身体の問題によって、私たちが見ることのできなかったものは何だったのか、これからもずっと考えると思う。でもそれ以上に、あなたの強い心があったからこそ、私たちが見ることのできたものを覚えているだろう。残された最後の試合を楽しんでほしい。その先に何が待っていようとも、あなたにはその全てを受け取るだけの資格がある」
まさに“七転び八起き”を体現するかのようなキャリアを歩んできた錦織。その姿に、海の向こうからも惜しみない賛辞が送られた。
文●中村光佑
【画像】海外テニスメディア『Tennis TieBreaks』が公開した錦織へ捧げるメッセージ
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「かつての自分を取り戻せそうになるたびに、新たなケガに見舞われ、再びリハビリに励み、ランキングを一から築き直す。そして、また新たなスタートを切る。多くの選手はキャリアを通じて自らの最高到達点を追い求めるものだ。あなたはそこへたどり着いては遠ざかり、それでも再びその高みを目指そうと自らを奮い立たせてきた」
さらにロトローニ氏は、2014年の「マドリード・オープン」(クレーコート/ATP1000)決勝で赤土の王者ラファエル・ナダル(スペイン/元1位)を相手に圧巻のプレーを見せながら、負傷により無念の途中棄権を余儀なくされた一戦にも言及。「もし錦織圭の身体が、彼のテニスについていくことのできる身体だったなら、彼は一体どこまで行けたのだろう?」と問いかけた。
一方で、数々の故障によって実現できなかったことだけで錦織を語るのは「フェアではない」と強調。世界ランキング4位、ツアー12勝、16年リオ五輪での銅メダル、14年全米オープンでのアジア人男子史上初となる四大大会シングルス決勝進出などの輝かしい功績を挙げつつ、「あなたは日本のみならず、アジアのテニス界にとって1つの基準となった」と称賛した。
また手紙の終盤でも、「私があなたのキャリアから学んだのは、立ち直る強さとは必ずしも倒れることを拒むことではないということだ。時には、再びゼロからのスタートを切ることを恥じないことこそが、本当の強さなのだと思う」と記し、改めてその不屈の精神を称えている。
そして最後には「決して立ち止まらなかったあなたへ。ありがとう、ケイ」と感謝を伝え、全文をこう締めくくった。
「あなたの身体の問題によって、私たちが見ることのできなかったものは何だったのか、これからもずっと考えると思う。でもそれ以上に、あなたの強い心があったからこそ、私たちが見ることのできたものを覚えているだろう。残された最後の試合を楽しんでほしい。その先に何が待っていようとも、あなたにはその全てを受け取るだけの資格がある」
まさに“七転び八起き”を体現するかのようなキャリアを歩んできた錦織。その姿に、海の向こうからも惜しみない賛辞が送られた。
文●中村光佑
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