男子テニス元世界ランキング13位のニック・キリオス(オーストラリア)のドーピング違反による出場停止期間を巡り、テニス界から疑問の声が上がっている。
今年6月の「マヨルカ選手権」(スペイン・マヨルカ/ATP250)で採取された検体から、コカインの代謝物であるベンゾイルエクゴニンが検出された31歳のキリオス。ITIA(国際テニス・インテグリティ・エージェンシー)の調査に対し、同選手は大会期間中の夜に社交目的で使用したと説明した。
WADA(世界アンチドーピング機構)認定検査機関の独立した科学専門家は、検体から検出された濃度が本人の説明と整合すると判断。ITIAは競技会外での使用と認定した。
WADAの規定では、この種の違反は原則3カ月の出場停止となるが、ITIAが承認した治療プログラムへの参加を条件に1カ月まで短縮できる。キリオスは同プログラムへの参加に同意し、8月4日から科されていた処分は9月3日に終了した。
この処分期間について言及したのが、かつてキリオスと交際していたアイラ・トムヤノビッチ(33歳/オーストラリア/現世界ランキング103位)だ。「全米オープン」(アメリカ・ニューヨーク/四大大会)期間中に出演したポッドキャスト番組『The Big T Podcast』で、過去の事例を挙げながら疑問を呈した。
「何とも難しいところですね。思い浮かぶのは、同じ物質で陽性反応が出た選手たちです。(出場停止処分は)ダニエル・エバンス(イギリス/今年7月に引退)は1年間でしたし、オマー・ジャシカ(オーストラリア/現408位)は2年間でした。私にはどうしても理解できません。これは今では新しいルールなのでしょうか? ケースによって、そんなに違うものなのでしょうか?」
エバンスは2017年、ジャシカは18年にコカイン陽性となり、それぞれ1年間、2年間の出場停止処分を受けた。だが21年のWADA規定改定により、コカインなどは「濫用物質」に指定。競技会外かつ競技力向上目的外での使用と認められ、指定の治療プログラムに参加すれば、処分を短縮できるルールが導入されたのだ。
トムヤノビッチは、規則変更そのものを否定したわけではない。過去に処分を受けた選手との公平性について問題視しているのだ。
「もしこれが新しいルールなら、それは素晴らしいことです。でも、ほかの選手たちに埋め合わせをする方法を見つけなければなりません。もしあれが単なる誤った判断だったのなら、ある意味で選手たちのキャリアを台無しにしていることになります」
また、番組のメインホストで元コーチのブラッド・ギルバート氏も今回の裁定に言及。キリオスが過去に他選手のドーピング問題を厳しく批判していたことを念頭に、「彼(キリオス)も1年間の処分を受けるべきだった」との見解を示し、処分を決めた側に「レッドカード」を出すと表現した。
処分を終え、すでに復帰が可能となったキリオスだが、その時期は明らかになっていない。近年は手首やヒザの故障にも苦しんでおり、今季の出場は3大会のみ。コートに戻るタイミングとともに、今回の一件を経てどのような再出発を見せるのかも注目されている。
構成●スマッシュ編集部
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【関連記事】チチパスがキリオスのドーピング違反を「発表前から知っていた」と告白。遅すぎる公式発表に疑問呈す<SMASH>
今年6月の「マヨルカ選手権」(スペイン・マヨルカ/ATP250)で採取された検体から、コカインの代謝物であるベンゾイルエクゴニンが検出された31歳のキリオス。ITIA(国際テニス・インテグリティ・エージェンシー)の調査に対し、同選手は大会期間中の夜に社交目的で使用したと説明した。
WADA(世界アンチドーピング機構)認定検査機関の独立した科学専門家は、検体から検出された濃度が本人の説明と整合すると判断。ITIAは競技会外での使用と認定した。
WADAの規定では、この種の違反は原則3カ月の出場停止となるが、ITIAが承認した治療プログラムへの参加を条件に1カ月まで短縮できる。キリオスは同プログラムへの参加に同意し、8月4日から科されていた処分は9月3日に終了した。
この処分期間について言及したのが、かつてキリオスと交際していたアイラ・トムヤノビッチ(33歳/オーストラリア/現世界ランキング103位)だ。「全米オープン」(アメリカ・ニューヨーク/四大大会)期間中に出演したポッドキャスト番組『The Big T Podcast』で、過去の事例を挙げながら疑問を呈した。
「何とも難しいところですね。思い浮かぶのは、同じ物質で陽性反応が出た選手たちです。(出場停止処分は)ダニエル・エバンス(イギリス/今年7月に引退)は1年間でしたし、オマー・ジャシカ(オーストラリア/現408位)は2年間でした。私にはどうしても理解できません。これは今では新しいルールなのでしょうか? ケースによって、そんなに違うものなのでしょうか?」
エバンスは2017年、ジャシカは18年にコカイン陽性となり、それぞれ1年間、2年間の出場停止処分を受けた。だが21年のWADA規定改定により、コカインなどは「濫用物質」に指定。競技会外かつ競技力向上目的外での使用と認められ、指定の治療プログラムに参加すれば、処分を短縮できるルールが導入されたのだ。
トムヤノビッチは、規則変更そのものを否定したわけではない。過去に処分を受けた選手との公平性について問題視しているのだ。
「もしこれが新しいルールなら、それは素晴らしいことです。でも、ほかの選手たちに埋め合わせをする方法を見つけなければなりません。もしあれが単なる誤った判断だったのなら、ある意味で選手たちのキャリアを台無しにしていることになります」
また、番組のメインホストで元コーチのブラッド・ギルバート氏も今回の裁定に言及。キリオスが過去に他選手のドーピング問題を厳しく批判していたことを念頭に、「彼(キリオス)も1年間の処分を受けるべきだった」との見解を示し、処分を決めた側に「レッドカード」を出すと表現した。
処分を終え、すでに復帰が可能となったキリオスだが、その時期は明らかになっていない。近年は手首やヒザの故障にも苦しんでおり、今季の出場は3大会のみ。コートに戻るタイミングとともに、今回の一件を経てどのような再出発を見せるのかも注目されている。
構成●スマッシュ編集部
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