男子テニスで四大大会24勝を誇るノバク・ジョコビッチ(セルビア/39歳)。長年ツアーを牽引してきたレジェンドには、引退後の年金も多額の資金が積み立てられている。
英テニスメディア『Tennis365』によると、ジョコビッチには男子プロテニス協会(ATP)の年金制度を通じて、2011年以降に計106万6862ドル(約1億6,833万円)が拠出されてきた。選手1人当たりの年間拠出額は近年大幅に増えており、今季初めて世界ランキング1位に立ったアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)への拠出額も99万3250ドル(約1億5,005万円)に上る。いずれも現時点で本人に支払われた金額ではなく、将来の受給に向けた資金だ。
そもそもATPには、ツアーで戦った選手の引退後の生活を支える「選手年金制度」がある。1990年に設立され、継続的なツアー参戦を評価して年金を積み立てている。ATPは今年4月、制度の拡充内容や具体的な拠出額を公表した。
対象となるのは、出場実績やランキングなど所定の条件を満たす選手。シングルス上位150人とダブルス上位50人の計200人が満額拠出の「ティア1」、さらにシングルスの100人が一部拠出の「ティア2」に該当する。対象者は2024年に、それまでの165人から最大300人へと拡大した。25年の拠出額は、ティア1が1人当たり12万9550ドル(約2,048万円)、ティア2が2万ドル(約316万円)。獲得賞金とは異なり、同じ区分なら世界1位でも150位でも拠出額は変わらない。
もちろん、世界4位まで上り詰め、9年連続で年末世界25位以内を維持した錦織圭も同様に高額の年金を受け取れる見込みだ。だが、この制度の恩恵が特に大きいのは、トップ選手ほど賞金を稼げない、ランキング100~250位前後の選手たちだろう。
年金の財源は、スポーツベッティングやメディア向けにライブスコア、試合スタッツなどを提供するATPのデータ事業収益が中心だ。これらを原資に、ATPが対象選手の年金として資金を拠出し、運用する仕組みだ。25年の拠出総額は過去最高の約2800万ドル(約44億3,240万円)に達した。
年金を受け取るには、所定の条件を満たした年数を通算3年以上積み重ねる必要があり、5年以上で積立金を全額受け取る資格を得る。受給開始は原則50歳からだ。ATPの試算では、ティア1の拠出を10年間受け続け、約120万ドル(約1億8,928万円)を積み立てた場合、50歳から20年間にわたり月額2万~2万4000ドル(約316万~379万円)を受け取れる可能性がある。ジョコビッチも、こうした受給条件を満たしている。ただし、運用成績などによって変動する推計値であり、受給額が保証されているわけではない。
ちなみに、野球の米大リーグ(MLB)の年金は、在籍10年で満額となり、62歳から受給すれば26年の基準で月額約2万4200ドル(約382万円)。ATPの試算とほぼ同水準だが、こちらは終身支給だ。
華やかな賞金額が注目されがちなプロテニスだが、引退後にも高額の年金を受け取れる手厚い制度があり、近年はその恩恵を受ける選手の数も増えている。
構成●スマッシュ編集部
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英テニスメディア『Tennis365』によると、ジョコビッチには男子プロテニス協会(ATP)の年金制度を通じて、2011年以降に計106万6862ドル(約1億6,833万円)が拠出されてきた。選手1人当たりの年間拠出額は近年大幅に増えており、今季初めて世界ランキング1位に立ったアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)への拠出額も99万3250ドル(約1億5,005万円)に上る。いずれも現時点で本人に支払われた金額ではなく、将来の受給に向けた資金だ。
そもそもATPには、ツアーで戦った選手の引退後の生活を支える「選手年金制度」がある。1990年に設立され、継続的なツアー参戦を評価して年金を積み立てている。ATPは今年4月、制度の拡充内容や具体的な拠出額を公表した。
対象となるのは、出場実績やランキングなど所定の条件を満たす選手。シングルス上位150人とダブルス上位50人の計200人が満額拠出の「ティア1」、さらにシングルスの100人が一部拠出の「ティア2」に該当する。対象者は2024年に、それまでの165人から最大300人へと拡大した。25年の拠出額は、ティア1が1人当たり12万9550ドル(約2,048万円)、ティア2が2万ドル(約316万円)。獲得賞金とは異なり、同じ区分なら世界1位でも150位でも拠出額は変わらない。
もちろん、世界4位まで上り詰め、9年連続で年末世界25位以内を維持した錦織圭も同様に高額の年金を受け取れる見込みだ。だが、この制度の恩恵が特に大きいのは、トップ選手ほど賞金を稼げない、ランキング100~250位前後の選手たちだろう。
年金の財源は、スポーツベッティングやメディア向けにライブスコア、試合スタッツなどを提供するATPのデータ事業収益が中心だ。これらを原資に、ATPが対象選手の年金として資金を拠出し、運用する仕組みだ。25年の拠出総額は過去最高の約2800万ドル(約44億3,240万円)に達した。
年金を受け取るには、所定の条件を満たした年数を通算3年以上積み重ねる必要があり、5年以上で積立金を全額受け取る資格を得る。受給開始は原則50歳からだ。ATPの試算では、ティア1の拠出を10年間受け続け、約120万ドル(約1億8,928万円)を積み立てた場合、50歳から20年間にわたり月額2万~2万4000ドル(約316万~379万円)を受け取れる可能性がある。ジョコビッチも、こうした受給条件を満たしている。ただし、運用成績などによって変動する推計値であり、受給額が保証されているわけではない。
ちなみに、野球の米大リーグ(MLB)の年金は、在籍10年で満額となり、62歳から受給すれば26年の基準で月額約2万4200ドル(約382万円)。ATPの試算とほぼ同水準だが、こちらは終身支給だ。
華やかな賞金額が注目されがちなプロテニスだが、引退後にも高額の年金を受け取れる手厚い制度があり、近年はその恩恵を受ける選手の数も増えている。
構成●スマッシュ編集部
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