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海外テニス

「観客がもっと楽しめるようになる」ナダルの名コーチがWTAのルール改定について持論を展開

Hustle

2020.04.07

2017年の全仏オープンにて、前人未到のV10を達成したナダル(右)とコーチのトニ(左)。(C)GettyImage

2017年の全仏オープンにて、前人未到のV10を達成したナダル(右)とコーチのトニ(左)。(C)GettyImage

 ラファエル・ナダルの叔父である、トニ・ナダルがWTAのコーチングルール改定について持論を述べた。

 今シーズンのWTAでは、グランドスラムを除く大会で、コーチングについて新たなルールがテストされる。2018年の全米オープン女子決勝で、セレナ・ウィリアムズが、ボックス席にいるコーチから、ジェスチャーによる指示を受けたとしてペナルティを課され話題となったが、今回のテストでは、このボックス席からのコーチングが許されることになる。

 トニは、ナダルがテニスをはじめた4歳の頃から、全仏でグランドスラム史上初のV10を達成した2017年まで、長きにわたりナダルをサポートし続けた名コーチだが、海外のテニスメディア『Tennis Now』によると、彼は「ボックス席からコーチングすることはごく自然なこと」と、今回のルール改訂を支持している。

「コーチをしていた頃は選手と話すのが好きだった。でも、スタジアムでは観客の多くが選手に対して声援を送れるのに、唯一コーチだけは声をかけることができない。これはおかしなことだ」と述べた。さらに、トニは従来のオンコートコーチングよりも、ボックス席からのコーチングを推奨しているという。
 
「例えばサッカーでは、監督がプレーの最中にコーチングしている。テニスでは、そこまで多くの助言をする必要はないし、ましてやプレーの最中に声をかけたりもしない。席からのコーチングは、オンコートコーチングのように試合の流れを妨げるものではなく、選手のプレーをより良くし、観客がもっと楽しめるようになる手段になるのではないか」

 また、ナダルもトニと同意見のようで「コートに出て対面で話す必要があるかはわからない。でも、コーチと話ができること自体は良いことだと思う」と語った。

 現在はツアーが中断しているが、再開後のWTAツアーでは、選手とボックス席にいるコーチのやり取りに注目してみても面白いかもしれない。また今後はこのような動きが男子テニス界にも波及する可能性もある。実際に、レーバーカップやATPカップなど一部大会では、プレーヤーのベンチ後方に『チームゾーン』が設けられ、キャプテンや他のチームメイトが、選手に自由にアドバイスすることができる。

 ATPカップでセルビアを初代優勝国に導いたノバク・ジョコビッチもこの『チームゾーン』について「チームが近くで声援を送ってくれて、試合を見ながら的確なアドバイスを受けることができた」と評価していた。

 テニスは個人スポーツではなくチームスポーツだ、という考え方が広まってきている近年のテニス界において、このような改革は今後加速していくかもしれない。そうなれば、我々テニスファンにとっても、新たなテニス観戦の楽しみ方を見出すきっかけになるだろう。

文●Hustle

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