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海外テニス

現在のテニス界のスタイルがわかる。データが明かすラリーの長さと意味【男子テニス】

スマッシュ編集部

2020.04.15

昨年のATPファイナルの覇者であるチチパスの10試合のデータから判明した、時代の潮流。(C)Getty Images

昨年のATPファイナルの覇者であるチチパスの10試合のデータから判明した、時代の潮流。(C)Getty Images

 テニスにおいて、もっとも頻出するラリーの長さとは、いったい何本だろうか? サーブとリターンで2本とすると、3本か、4本か、それとも5本か……。観戦派もプレー派も、普段はあまり考えたことがないであろう問いかけが、ATP公式サイトで検証されている。

 サンプルとなったのは、昨年のATPファイナル王者であるステファノス・チチパスの試合。昨年秋に開催された北京大会決勝のドミニク・ティーム戦から、今年2月のドバイ大会準々決勝のヤンレナドード・ストルフ戦までの10試合からデータを取ったという。

 最初に確認すると、テニスのラリーの長さは、ラケットでボールを打つ回数ではなく、ボールがコートに着地するごとにカウントする。例えば「2ショット」ラリーなら、サーブイン、リターンウイナー。あるいは、サーブイン、リターンイン、そしてエラー。また「0ショット」ラリーとはダブルフォールトを意味する。

 記事よると、チチパスとその対戦相手は、総ポイントの3割近くを「1ショット」ラリーで決していた。もちろん、サービスエースもあれば、リターンエラーもあり、次に頻度の高かった「3ショット」ラリー(15.8%の確率で発生)の倍近くに上った。
 
 1ショットのラリーが最も多いのであれば、次に多いのは2ショットとなりそうなものだが、実際には3ショットと5ショットが続いている。サービスはラリーの開始時に強力な力を発揮するため、3打目と5打目はリターナーから弱いボールが返ってくることが多い、ということだろう。当然ながら、サーバーは奇数回のラリーにしか勝てず、リターナーは偶数回のラリーにしか勝てない。

●ラリーの長さごとの出現回数
評価    ラリーの長さ    回数    割合
1  1ショット  458      29.8%
2  3ショット  243      15.8%
3  5ショット  153      10.0%
4  2ショット  151      9.8%
5  4ショット  123      8.0%
6  7ショット  88  5.7%
7  6ショット  65  4.2%
8  8ショット  48  3.1%
9  0ショット  40  2.6%
10  11ショット  40  2.6%
11  9ショット  36  2.3%
12  10ショット  32  2.1%
13  15以上のショット  26  1.7%
14  12ショット  15  1.0%
15  13ショット  13  0.8%
16  14ショット  6  0.4%
合計/割合    1,537    100.0%

 上記の表で興味深いのは、割合が2桁に達したのが、1ショット(29.8%)、3ショット(15.8%)、5ショット(10.0%)の3種だけだということ。この数字から、現代の男子テニス界において、どれほどサービスが重要なショットであるかがうかがえる。そして、サービスゲームをブレークされるということが、どれほどピンチを招くかということも明らかだ。記事では、「これらは選手が練習コートに足を踏み入れる際、最も注力すべきことのロードマップと言えるかもしれません」と締めくくっている。あなたの磨くべきテーマは決まっただろうか。

【データを取ったチチパスの10試合】
大会       対戦相手        勝敗    スコア
2020ドバイ    ストルフ        勝 4-6,6-4,6-4
2020マルセイユ  オジェ-アリアシアム 勝 6-3,6-4
2020ロッテルダム ベデネ      敗 7-5,6-4
2019ファイナルズ ティーム        勝 6-7(6),6-2,7-6
2019パリ     ジョコビッチ    敗 6-1,6-2
2019パリ     デミノー        勝 6-3,6-4
2019上海     ジョコビッチ    勝 3-6,7-5,6-3
2019上海     フルカチ        勝 7-5,36,7-6(5)
2019上海     オジェ-アリアシアム 勝 7-6(3),7-6(3)
2019北京     ティーム        敗 3-6,6-4,6-1 

構成●スマッシュ編集部

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