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海外テニス

錦織圭と似た境遇の若手ケツマノビッチの決意「自分の全てをテニスに捧げる必要がある」【男子テニス】

東真奈美

2020.05.16

昨年の楽天オープンで来日していた20歳のケツマノビッチ。写真:茂木あきら(THE DIGEST写真部)

昨年の楽天オープンで来日していた20歳のケツマノビッチ。写真:茂木あきら(THE DIGEST写真部)

 プロデビューから3年目、今後も躍進を期待される20歳のセルビアのミオミル・ケツマノビッチ。錦織圭もいる名門IMGアカデミーに学び、ジュニア世界ランキング1位を経てプロに転向。そして今年3月、世界ランキングで自己最高となる47位にまで駆け上がった。

 しかし、彼がここまで到達するのは容易ではなかったようだ。『ATP Uncovered (ATPツアー公式サイト動画) 』でジュニア時代のことを語っており、その境遇は驚くほど錦織圭と似ていた。

 ケツマノビッチは13歳の時、両親のいるセルビアから離れて渡米した。フロリダ州のIMGアカデミーで学ぶためだ。「初めはとにかく大変な毎日だった。英語も満足にできず、周りには知り合いもいない。乗り越えてしまえば楽しく過ごせるようになったけれど、そこを乗り越えるまでがとても苦しかった」

 13歳で親元から離れてIMGアカデミーにテニス留学した錦織圭とほぼ同じである。「マックス・ミルニーがいて、ケイ(錦織圭)がいて……。でも別世界の遠い人たちだった」とケツマノビッチは当時を振り返る。錦織もおそらく同じようにトミー・ハースやミルニーを見ていたことだろう。
 
 孤独に陥りがちな生活を支えてくれたのは、やはり家族だった。母国で働く両親に代わって叔母がアメリカに一緒に来てくれた。両親も「慣れない場所にいる息子によく電話をかけてくれた。親にとってそれは簡単なことではなかったと思うけど、当時の自分にとっては大きな支えだった」と、ケツマノビッチはずっと支えてくれている両親に感謝を示した。

 13歳でフロリダに向かった時、ケツマノビッチはすでにプロになる決心を固めており、ゴール達成のために自分の生活の全てをテニスの練習に捧げる覚悟を決めていた。成功するにはその必要があると、彼は知っていたのだ。

「テニスで成功するためには、毎日必ずコートに立つ。どうしてもテニスをしたくない日があったとしてもコートに入る。自分の全てを、100%をテニスに捧げる必要がある。栄養、思考、コート上での振る舞いはもちろん日常の行動など全て。人生全てを懸けるつもりでいなければならない」
 

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