海外テニス

ワウリンカが今後のテニスツアーについて見解。「NYに行くことが可能なのか、とても不安」

THE DIGEST編集部

2020.05.27

ワウリンカは現役選手の中で、ビッグ3に次ぐ4番目タイ(アンディ・マリーと同数)のグランドスラムタイトル数を保有している。(C)GettyImages

 グランドスラム3勝を挙げている男子テニス世界ランク17位のスタン・ワウリンカが、母国スイスの公共放送局『Radio télévision suisse』のインタビューの中で、再開が待たれる今シーズンのツアーについて語った。

 新型コロナウィルスの感染拡大によりツアー中断が続くテニス界だが、各国でロックダウン解除や規制緩和が始まり、再開に向けた動きが見え始めている。ワウリンカは、「いくつかの大会は制限遵守の下、若干の観客を入れる可能性を模索していると聞いてうれしく思っている。少しであってもスタンドに観客がいる方が無観客よりずっと良いからね」と述べた。

 2016年全米オープンの覇者であるワウリンカは、今シーズンの同大会開催について、「(全米オープン開催地)ニューヨークに行くことが可能なのか、とても不安に思っている」とコメント。新型コロナウィルス感染拡大がまだ終息していない開催地・米国の状況を危惧していると言う。
 
 その一方、情勢が落ち着きつつある欧州での全仏オープンについては、「開催が決まることに大きな期待を寄せている」とした。さらに、前哨戦としていくつかの公式大会をスケジュールできれば理想的だとも語った。

 今シーズンのグランドスラムは1月に全豪オープンが行われたのみで、ワウリンカがキャリアグランドスラムを懸けて臨むはずだったウィンブルドン選手権は中止。全米オープンと、延期となった全仏オープンは、現在のところ無観客での開催が濃厚とみられている。だが、グランドスラム通算20勝を記録するロジャー・フェデラーや、女子世界ランク12位でウィンブルドン優勝2回のペトラ・クビトバら一部の選手が、無観客での開催に異議を唱えるなど、テニス界でも意見が分かれているところだ。

 シーズン再開に向けて、各地で様々なエキシビション大会が企画されているが、これらへの参加を見合わせているワウリンカ。その理由について「ノバク・ジョコビッチが主催する大会のほか、いくつかリクエストが届いたよ。けれど、今はコンディションが全く整っていない。負傷するリスクを避けるために全て出場を見送ったんだ」と説明。「6月1日から集中的に練習を行って準備する予定だ。隠さずに言うけど、ロックダウン以降は、ほんの数回しかコートに立っていないんだ」と述べた。

 ロックダウン中、SNSを通じて料理やガーデニングなど意外なプライベートを披露してくれたワウリンカ。しかし、ファンが真に心待ちにしているのは、片手バックハンドから強烈なショットを繰り出し、コート上で躍動するワウリンカに違いない。

構成●THE DIGEST編集部

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