海外テニス

医者、小説家、スパイ、不動産業など…。女子テニスプレーヤーたちの意外なセカンドキャリア

東真奈美

2020.06.27

元世界2位のラドワンスカは、故郷のポーランドで地元の不動産開発会社と提携し、高級賃貸アパートメントを誕生させた。(C)GettyImage

"セカンドキャリア"とは本来、人事労務用語で、「第二の人生における職業」を意味するが、今はプロスポーツ選手に使われることが多い。

 我々を熱狂させてくれた女子プロテニスプレーヤーたちの現役期間は短く、30歳頃に引退する選手がほとんどだ。彼女たちはその後、どうしているのだろうか? WTA(女子テニス協会)公式サイトが公表した、元トッププレーヤーたちのセカンドキャリアは、興味深いものだった。 

 日本でも人気が高かったマリア・シャラポワ。容姿の華やかさと長身を生かしたプレースタイルに加え、キャリアグランドスラムを達成した実力も備える。彼女は今年2月に引退を表明し、ビジネスウーマンに転身。テニスに向けていた情熱を、すでに立ち上げていた菓子ブランド『シュガポワ』でチョコレートやキャンディ等、お菓子の販売に注いでいる。

 シャラポワ以前に、現役中からビジネスを展開していたのは、ガブリエラ・サバチーニ。今年50歳を迎えた彼女は、その美貌と親しみやすい人柄で、引退後約四半世紀が過ぎてもファンが多い。彼女も自身の名前を冠した香水をプロデュースし、引退後はそれに多くの時間を捧げている。販売開始後30年以上経つ香水『ガブリエラ・サバチーニ』ラインは、世界中で成功しており、若い消費者には、彼女が全米オープンのチャンピオンだったことを知らない人も多いようだ。
 
 彼女たちのように、元WTA選手としての知名度やツアー経験を生かして、セカンドキャリアにつなげる選手は結構いる。

 元世界2位のアニエスカ・ラドワンスカは、自国ポーランドのアパート賃貸に新風を吹き込んでいる。地元の不動産開発会社と提携し高級アパートメントを誕生させた。同社のウェブサイトによると、このアパートメントは「世界的なスポーツトーナメントの雰囲気と、街の中心部での贅沢なレクリエーションを兼ね備えている」という。

 日本が誇る元WTA選手の伊達公子は、ツアーで世界を飛び回っていた10代後半に"パン好き"になり、現在東京の恵比寿で『フラウ・クルム』というパン屋を展開している。日本のファンなら知っている人も多いだろう。