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海外テニス

全米優勝者、アンドレスクのイメトレが現実に!「ほぼ毎日、この時をイメージして過ごしてきたわ」

内田暁

2019.09.08

優勝の瞬間。驚きを隠せないようなアンドレスクの表情。写真:山崎賢人(スマッシュ写真部)

優勝の瞬間。驚きを隠せないようなアンドレスクの表情。写真:山崎賢人(スマッシュ写真部)

全米オープン女子決勝/9月7日(現地時間)
B・アンドレスク(CAN) 6-3 7-5 S・ウィリアムズ(USA)

 過去の出来事は、1つの未来を示していたと言えるかもしれない。

 セレナは、記録がかかった時ほど、ナーバスになる。過去にも、ステフィ・グラフが持つ22のグランドスラム優勝回数に並ぶまで、2度、決勝で破れていた。そして、24のマーガレット・コートの記録に1つと迫った今、彼女はすでに3回までも、グランドスラムの決勝で破れている。未だ強さを誇るとはいえ、セレナも37歳。残り時間を刻む針が確実にタイムアップへと迫る中、心にのしかかる圧力は大会ごとに重さを増していた。
 
 アンドレスクにとっての幸運の予兆は、約半年前のインディアンウェルズのタイトルだ。昨年、2歳年長の大坂が同大会のタイトルを手にした時、アンドレスクは、「とても刺激を受けた」と言った。その大坂の足跡を辿る彼女には、全米で優勝する自分をイメージすることにも、さほど無理はなかったはずだ。
 試合は、それら過去の繰り返しを予感させる幕開けとなる。セレナがダブルフォールトを2本連ね、いきなり献上したブレーク。さらには、セットポイントとなるブレークポイントでも、またもダブルフォールトをおかした。

 この緊張と落胆を、その後もしばしセレナは引きずる。第2セットの第2ゲームでは、この日3つ目のブレークを、3度までもダブルフォールトで手渡した。ゲームカウントは、瞬く間に5-1に。アンドレスクが全米女王の席まで、あと1ゲームの距離に迫った。

 しかし、事はそう簡単には終わらない。勝利にはやる19歳の勝ち気はミスに繋がり、ファンの大声援を背に受けるセレナは猛追を見せる。今度はセレナが4ゲーム連取し、試合の流れは変わったかに思われた。

 だが、驚異の19歳は、流れに飲まれるを良しとしない。ファーストサービスの確率を上げ、エース、もしくはサービスウイナーでまずはゲームをキープする。続くゲームでは、強引にウイナーを決めにいくセレナのショットが、ラインを割りネットを叩く。最後、アンドレスクがフォアのウイナーを叩きこみ、優勝の栄冠をつかみ取った。

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