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海外テニス

中止のウインブルドンが総額13億円の賞金を620名に分配。キリオス、ハレプら選手から感謝の声が続々

スマッシュ編集部

2020.07.12

ウインブルドンのセンターコート(2019年大会決勝)。本来であれば、本日ここで男子シングルス決勝が行なわれる予定だった。(C)GettyImages

ウインブルドンのセンターコート(2019年大会決勝)。本来であれば、本日ここで男子シングルス決勝が行なわれる予定だった。(C)GettyImages

 テニス4大大会のうち、最も歴史ある大会として知られるウインブルドン選手権。本来であれば12日が大会最終日で、盛況のもとに幕を下ろしていただろうが、2020年大会は新型コロナウイルスの状況を鑑みて、第二次世界大戦時以来の中止となった。

 そのウインブルドン選手権を主催するAELTC(オール・イングランド・ローンテニスクラブ)が、10日(現地時間)に公式ホームページで、2020年大会に出場する予定だった選手たちへの大規模な資金援助を発表した。これに、選手たちをはじめ、テニス界各方面から称賛が集まっている。

 AELTCが発表した声明によると、大会が中止となったかわりに、予選、本戦に出場できるランキングの選手620名に対し、総額1000万ポンド(約13億5000万円)の“賞金”を分配するという。これには、男女シングルス・ダブルスはもちろん、車いすテニス、クアッド車いすテニスの選手も含まれている。

 各部門の賞金配分は下記のとおりだ。

シングルス予選:224名 12,500ポンド(約168万円)
シングルス本戦:256名 25,000ポンド(約336万円)
ダブルス本戦 :120名 6,250ポンド(約84万円)
車いす    :16名   6,000ポンド(約80万円)
クアード車いす:4名  5,000ポンド(約67万円)
 
 なお今回の資金は、大会が中止になった際に備えて加入していた保険から捻出される。AELTCチーフ・エグゼクティブのリチャード・ルイス氏は、公式ホームページで「大会中止が決まった直後から、我々はウインブルドンに関わるすべての人々に、どのような支援ができるのかを検討してきました。ここ数カ月の状況は、選手などテニス関係者にとって非常に不安なものであったと思います。私たちの保険契約により、2020年大会に出場するために選手たちが行なってきたハードワークに対し、資金援助ができることを喜ばしく思っています」と述べた。

 これを受けて、オーストラリアの世界ランク40位、ニック・キリオスは、自身のツイッターで「立派な取り組みをありがとう。ウインブルドンは常に私たちのお気に入りの大会です」と大会を称賛。昨年大会女王のシモナ・ハレプも、ツイッターで「大会が中止になったにも関わらず、素晴らしいケアをありがとう」とコメントした。

 AELTCはこの他、新型コロナウイルスに立ち向かう慈善団体へ120万ポンド(約1億6000万円)の支援、地域で困窮する人々への温かい食事の提供、大会名物であるイチゴの医療従事者たちへの差し入れ、など様々な取り組みを行なっている。

構成●スマッシュ編集部

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