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国内テニス

カプリアティの強打に惹かれた少女時代、挫折からの復活に励まされた大学時代~波形純理【プロが憧れたプロ|第5回】

渡辺隆康(スマッシュ編集部)

2020.08.16

波形純理(右)はかつてカプリアティ(左)に憧れてラケットを変えたという。フォームもどことなく似ている? 写真:スマッシュ写真部

波形純理(右)はかつてカプリアティ(左)に憧れてラケットを変えたという。フォームもどことなく似ている? 写真:スマッシュ写真部

 現在、プロとして活躍している選手も、現役を引退してコーチをしている人も、小さい頃には憧れのプロがいたはずだ。【プロが憧れたプロ】シリーズの第5回は、38歳のベテラン、波形純理選手に話を聞いた。

   ◆   ◆   ◆

 波形純理はテニス界でもとりわけ息の長い現役生活を続けている選手だ。2005年に早稲田大学を卒業後、プロ転向。11年に全豪・全仏の本戦に出場し、自己最高ランク105位をマークした頃が、波形の最盛期と言えそうだが、彼女はそこで終わらなかった。一時は458位までランクを下げるも、18年には不死鳥のごとく100位台に戻し、周囲を驚かせた。

 そんな彼女が子どもの頃に憧れたのは、天才少女、ジェニファー・カプリアティだ。「私がまだ10歳ぐらいの時、カプリアティは16歳でオリンピック(バルセロナ)に優勝したんです。それを見て憧れました」

 特に惹かれたのは、カプリアティの代名詞とも言えるフォアハンドのハードヒットだ。「ダイナミックでしたね。私はバックが得意だったので、フォアをあんなに打ててスゴイ! って思いました」
 
 ただ、「あまりにすごすぎて、打ち方はマネできなかった」そうで、代わりに「プリンスのラケットを使い始めた」というのが、子どもらしくて微笑ましい。それから約30年、今も彼女はプリンスを使い続けている。

 カプリアティはしばらくツアーで暴れ回った後、一度バーンアウトしている。復活したのは波形が大学生の頃。01~02年にかけてグランドスラム3勝を挙げ、世界1位の座に就いた。それを見た波形は「すごくうれしかった。自分のテニスにも励みになった」と言う。厳しさで知られた早大庭球部の練習も、それを助けに乗り切れたのではないだろうか。

 今もコートに立ち続ける波形を見ていると、決してあきらめない姿勢が、どこかカプリアティと重なって見える。それに本人はマネできなかったというが、大きなテイクバックから厚く叩くフォアは、やはりカプリアティに似ていなくもない。

取材・文●渡辺隆康(スマッシュ編集部)

【PHOTO】全日本ジュニアを制した時の波形純理~日本人トッププロのジュニア時代の秘蔵写真
 

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