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小柄な奈良くるみが、なぜ重いフォアハンドを打てるのか? カギは力の抜き方にあり!【プロが明かすテニス上達法】

スマッシュ編集部

2020.08.22

これはかなり強打したフォアハンド。奈良選手が重視しているのは、体幹に力を入れて軸を真っすぐに保つことで、見事に実践している/18年USオープンより。写真:THE DIGEST写真部

これはかなり強打したフォアハンド。奈良選手が重視しているのは、体幹に力を入れて軸を真っすぐに保つことで、見事に実践している/18年USオープンより。写真:THE DIGEST写真部

 プロテニス選手は、高度なショットをいとも簡単にたたき込む。なぜあんなボールが打てるのか? その秘訣をプロ本人に明かしてもらうシリーズ。今回は長年日本女子を牽引してきた奈良くるみ選手に、重いフォアハンドを打つコツを教えてもらった。

「私はショットのスピードをそれほど出せる方ではありません」と自ら言うように、奈良選手はどんどんエースを奪って圧倒するタイプではない。だが、決してショットが弱いわけではなく、自分から展開を作るだけの球威は備えている。

「自分のプレーの軸となるフォアの重いボールは、上達していると感じるショットです」と奈良選手。単純なスピードではなく、ボールの“重さ”を追求しており、「そういうショットが打てるとラリーを有利に進められます」と語る。

 では、どうすれば重いボールが打てるのか?
「意識していることは、回転量が必要なので、スイングスピードを速くすること。私の場合は、スイングスピードを速くしようと考えると力んでしまうので、力を抜くということが大事になってきます」
 
 意外にも、速く振るカギは力の抜き方だという。
「リラックスしてヘッドスピードを上げるためには、身体の軸をしっかりとさせる必要があります。力を入れている所と抜いている所がないと、身体のしなりが出てきません。力を入れる場所は体幹です。この体幹がしっかりしていれば、他の部分は力を抜くことができます。つまり、身体がしなってラケットが走ってくれるのです」

 スイングの回転軸となる体幹には力を入れるが、それ以外は脱力していい――強く打とうとして、腕に思いきり力を入れている人は、奈良選手のアドバイスをぜひ取り入れてみてほしい。

【プロフィール】奈良くるみ/ならくるみ
1991年12月30日、兵庫県生まれ。155.5cm、52kg、右利き。小柄だがショットの組み立てがうまく、コートカバーにも長け、長年日本女子のエースとして活躍してきた。2014年リオデジャネイロでツアータイトルを獲得し、WTAランキング自己最高32位をマーク。13年、17年全米、14年全豪で3回戦進出。安藤証券所属。

構成●スマッシュ編集部
※『スマッシュ』2018年1月号より再編集

【PHOTO】奈良くるみの攻撃的フォアハンド、ハイスピードカメラによる『30コマの超分解写真』
 

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