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国内テニス

「アピールする場がなくなった」コロナ禍で進路の決断が難しくなった高3の三井駿介【国内テニス】

赤松恵珠子(スマッシュ編集部)

2020.08.23

「+POWER CUP」では気合の入ったアグレッシブなプレーを見せた三井。写真:スマッシュ編集部

「+POWER CUP」では気合の入ったアグレッシブなプレーを見せた三井。写真:スマッシュ編集部

 テニス界でコロナ禍の影響を大きく受けているのは、将来の選択をしなくてはいけない高校3年生だろう。

 三井駿介は、現在ITFジュニアランキング26位で、自己最高は2020年1月6日に記録した6位。日本人ジュニア選手としては、ウインブルドンジュニアに優勝した望月慎太郎に次いで2位のポジションにいる。

 今年の全豪オープンジュニアでは2回戦止まりだった三井は、残りのグランドスラムジュニアの3大会で活躍することを目指していた。そんな中での3月からの中断である。「(本来なら)グランドスラムジュニアはまだ3大会あり、全日本ジュニアもあった。そういう大会がなくなったのは悔しいですね」と胸中を明かす。

 高校3年生には、プロ、アメリカの大学、日本の大学という3つの道がある。プロになるにはスポンサーを獲得する必要があり、通常は最終学年時に大会で活躍することで、大きなアピールとなる。その3つのどこに進むかは、まだ決めかねていた三井も、目標として考えていたことがある。

「グランドスラムジュニアでベスト4以上に入ってスポンサーが見つかれば、プロにいこう」。今年の結果次第で決めようと考えていたプランは、もろくも崩れた。「プロになるには、アピールをする場が全部なくなったので、なかなか難しいですね……」
 
 三井に話を聞いたのは、初めて開催されたプロとジュニア・大学生の団体戦『+POWER CUP』の会場。そのエキジビションマッチは、現役プロたちをスポンサーしている人たちも見る可能性があるため、「アピールの場になるのではないかと思っています」と、果敢にネットに詰めるダイナミックなプレーを披露していた。

 今年は全日本ジュニアの中止も決まったが、三井は18歳以下で優勝したいと考えていた。なぜなら、過去4年「前年に高校2年生が18歳以下で準優勝した場合、翌年は優勝する」というジンクスがあるからだ。昨年準優勝し、今年高3という同じ状況にあった三井は「プレッシャーはありますけど、そこを乗り越えたら、だいぶ自信になると思っていました」。実は取材をする立場としても、その姿を見るのを楽しみにしていただけに残念でならない。

 今後、三井がどういう選択をするかはわからない。しかし、このような状況下でも、少しでもテニス環境の良い場所を求めて練習をしたり、多くの人に見られるチャンスにしっかりと良いプレーを披露することができる彼ならば、自分が選んだ道を力強く歩いて行ける気がする。

取材・文●赤松恵珠子(スマッシュ編集部)、取材協力●+POWERCUP、全日本男子プロテニス選手会

【PHOTO】プロと学生が一緒に戦う団体戦「+POWER CUP」で、三井も躍動!
 

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