海外テニス

「どのように動いていくか知らない」ジョコビッチが新設した選手団体『PTPA』について、所属するバウティスタアグートが明かす

中村光佑

2020.09.02

現在出場している全米オープンで、2回戦に進出しているバウティスタアグート。(C)Getty Images

 現地28日(月)、ウェスタン&サザン・オープンの準決勝3時間の死闘の末、世界1位のノバク・ジョコビッチに敗れた同11位のロベルト・バウティスタアグート(スペイン)。彼は試合後のインタビューに答え、準決勝での自身のプレーを振り返るとともに、コロナ禍でのツアー中断中の過ごし方や、大会期間中にジョコビッチが設立した、『PTPA(プロフェッショナルテニスプレーヤー協会)』について、自身の考えを語った。

 まず、ジョコビッチとの試合についてバウティスタアグートは、「少し嫌な終わり方だった」としながらも、「それでもすぐに切り替えていく必要がある。起こってしまったこと(負けてしまったこと)はもう仕方がない。今週はプレーが良かったからポジティブに捉えて、また挑戦し続けるだけだ」と答えた。

 最終セットのタイブレークでは、1ポイントも奪えずに敗れたが、これについて尋ねられると、「単に彼(ジョコビッチ)が素晴らしいプレーをしていただけのこと。3本のエースと、残りはすべてウイナー級のボールだった。気付いたら5-0になっていたよ」と、ジョコビッチをもろ手で称えた。

 それでも、再開直後のマスターズ1000大会で好成績を収めることができたことは、大きな自信につながっただろう。今大会での好調ぶりは、コロナ禍においても日々の地道なトレーニングを重ねたこと、そして常に大会出場に備えていたことが、大きく関係しているはずだ。
 
 インタビューでは、ジョコビッチが設立に関わった新たな選手団体『PTPA』についての質問も飛んだ。バウティスタアグートは、同団体の複数のチャットグループに参加しているようで、ウェスタン&サザン・オープンでの準決勝進出に対し「それぞれに300通ほどの祝福メッセージが来ていた」と明かしたが、「時間がなくてすべては確認できていない」という。

 一方で、急展開となった団体の設立については「彼(ジョコビッチ)が協会を設立したいというのは知っていたが、今後どのように動いていくのか、ATP(男子プロテニス協会)と協力するのかは知らない。(団体の)公式文書のようなものも受け取っているが、目を通せなかった」と、自身の具体的な立場は明かさなかった。

 新たに契約したビジャレアルのサポートを背に、さらなる活躍が期待されているバウティスタアグート。今月14日には、妻のアナさんの出産を控えているという彼は、1回戦で世界48位のテニス・サングレン(アメリカ)を相手にストレート勝利を収め、2回戦に駒を進めている。前哨戦ではジョコビッチに惜しくも敗れたが、全米オープンでは少しでも多くの勝利を家族に届けたいところだ。

文●中村光佑

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【動画】ジョコビッチとフルセットの激闘を繰り広げたバウティスタアグート。W&Sオープン準決勝ハイライト