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海外テニス

大坂なおみの圧巻プレーを海外メディアが絶賛!「成熟したメンタル」「人種差別抗議の姿勢がプレーの質を上げた」

中村光佑

2020.09.13

大坂の圧巻のプレーに、海外メディアから絶賛の声が上がっている。(C)GettyImages

大坂の圧巻のプレーに、海外メディアから絶賛の声が上がっている。(C)GettyImages

 全米オープン女子決勝で、元世界1位のビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)を相手に見事逆転勝利。3度目のグランドスラム制覇を成し遂げた大坂なおみを、多くの海外メディアが称賛している。

 スペインの『マルカ』紙は「大坂がアザレンカを下し、再びニューヨークでグランドスラムのタイトルを獲得」との見出しで、今大会を含めた過去3回のグランドスラム決勝すべてで勝利を収めていることに注目。1994年の全米オープン以来、第1セットを落としたプレーヤーが逆転優勝を決めた事例がなかったことを挙げて、「大坂が(第2セットで)気持ちを切り替えてプレーしたことで、アザレンカは逆にナーバスになった」と、試合のポイントを解説した。
 
 イギリスの『BBC』も「大坂がアザレンカを破り、グランドスラム3度目の栄冠を手にした」と大々的に報道した。

「第1セットを奪われ、タオルを頭から被った時には、以前から懸念されていたメンタル面での弱さが出ていた」と指摘しながらも、「第2セットの第3ゲーム目で、アザレンカが40-30とリードした場面で放った大坂のフォアハンドが試合を決める重要なポイントとなった」と分析。さらに、逆転で優勝を果たしたことについて「自粛期間中に成熟したメンタルは、大坂が活路を見出すきっかけになったのではないか」と評価している。

 テニス系メディアの『TENNIS.com』は、今大会での大坂のトレードマークとも言える、7枚の黒マスクについて言及し、人種差別抗議への姿勢も、プレーのレベルを引き上げた原動力になっているのではないかと持論を展開している。

 実際に大坂は優勝を決めた直後に「そのこと(人種差別排除を訴える姿勢を保つこと)は私をより強くしたと思う。犠牲になった人達の名前を(マスクを通して)掲げ続けて、多くの人々に人種差別について議論してもらいたい。それが私の中に勝利への意欲を掻き立てたと感じる」と語っていた。

 今回の栄冠には、自身のメンタル面の成長も影響していたはずだ。今大会の大坂はたとえリードを許しても非常に落ち着いていた上に、自らを鼓舞する場面も多く見られた。22歳にして早くも3つ目のメジャータイトルを手にした大坂。日本女子テニス界で初となる生涯グランドスラムに向けてさらなる飛躍を期待したい。

文●中村光佑

【PHOTO】全米オープン2年ぶり2度目の優勝を果たした大坂なおみ!今大会を厳選写真でプレイバック!

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