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海外テニス

「もし勝者が2人いても許されるなら…」グランドスラム初優勝をかけて戦ったティームとズべレフが、試合後に見せた友情

中村光佑

2020.09.14

プライベートでも仲の良いティーム(左)とズべレフ(右)の戦いは、互いに初優勝をかけた激闘となった。(C)Getty Images

プライベートでも仲の良いティーム(左)とズべレフ(右)の戦いは、互いに初優勝をかけた激闘となった。(C)Getty Images

 全米オープンテニス(アメリカ/ニューヨーク)は大会14日目の現地13日に、男子シングルス決勝が行なわれ、第2シードのドミニク・ティーム(オーストリア)が第5シードのアレクサンダー・ズべレフ(ドイツ)を下し、グランドスラム初優勝を達成した。

 序盤はズベレフの速い攻めに苦戦を強いられ、2セットを先取されたティームだったが、不屈の闘志で最終セットに持ち込み、2―6、4―6、6―4、6―3、7―6(6)の大逆転で優勝を決めた。

 優勝決定の瞬間、ティームはコートに大の字になり、両手を顏で覆って喜びを噛み締めた。その後、お互いに健闘を称えるハグを交わし、ティームはベンチに座るとホッとした様子で笑顔を見せた。一方のズベレフは、悔しさから呆然とした表情でうつむく。ファイナルセットではサービング・フォー・マッチのチャンスもあっただけに、グランドスラム初の決勝は悔やまれる敗戦となった。

 試合後のセレモニーで、ズベレフは「何から話したらいいかわからないけど、まずはドミニク(ティーム)おめでとう。(ティームは)今後もまた優勝するでしょう。もしミスをしてくれれば、自分が優勝トロフィーを掲げていたのに、とも思ってしまいます」と胸の内を語った。

 さらに、「自分にとって特別な存在である人たちに感謝を伝えたい」としたところで、目に涙を浮かべ、目頭を押さえた。「両親はいつも私を支えてくれていました。今日はここには来ていないですが、(それでも勝ちたかったから)本当につらいです。勝てませんでしたが、私のことを誇りに思ってくれていると思います」と悔しさをにじませながらもスピーチをした。
 
 グランドスラム22大会ぶりの新王者となったティームは、「サーシャ(ズベレフの愛称)、本当に大接戦でした。僕らの間には友情もあるけど、ライバルでもあります。このステージ(決勝)にたどり着いて、素晴らしい試合ができたことを誇りに思っています。」と語り、「もし勝者が2人いても許されるならそうでありたかった」とズベレフを気遣う言葉を送った。

 さらに、ティームは「今回の決勝戦こそ本当に勝ちたいと思っていた中で、『君はきっと優勝できるよ』と声をかけてくれる人がいました。特に私のチームには感謝しかないですし、感謝してもしきれないくらいです。オーストリアのみんな(家族や友人たち)も本当に応援ありがとう」と締めくくり、トロフィーを掲げて笑顔を見せた。

 また、ティームは後に自身のツイッターで「私のキャリアは常に今日の試合のようなものでした」と、キャリアでの浮き沈みと試合を重ねつつ、ズべレフに対しては「この試合は本当にもうひとりチャンピオンがいるべき試合だった。ズべレフは偉大なライバルであり、真の友人であることに感謝しています」と労いの言葉をかけた。

 過去3回の準優勝の経験を糧に、ようやくグランドスラムの栄冠へとたどり着いたティーム。今後もBIG3を脅かす一人として、さらなる活躍が期待される。敗れたズベレフも次こそはグランドスラムのタイトルを獲得してほしい。

文●中村光佑

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