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海外テニス

肉体改造によって頂点に上り詰めたダベンポート。実は腕力頼みではない理にかなったスイング【レジェンドFILE32】

スマッシュ編集部

2020.11.22

腕をきれいに振り抜き、後から身体が回ってくるダベンポートのスイングは、パワーと安定性を兼ね備え、一般愛好家にも参考になる。写真:スマッシュ写真部

腕をきれいに振り抜き、後から身体が回ってくるダベンポートのスイングは、パワーと安定性を兼ね備え、一般愛好家にも参考になる。写真:スマッシュ写真部

 戦術や展開力でプレーを組み立てるマルチナ・ヒンギスとは好対照に、パワーで女子テニス界の頂点に立ったのがリンゼイ・ダベンポートだ。デビュー当初は189センチ、80キロの身体を持て余し動きの悪さが目立ったが、減量によってそれを克服した。

 日本のテニスファンからすれば、それほど印象に残るプレーヤーではなかったかもしれないが、母国アメリカでは、1996年、地元開催のアトランタオリンピックでの金メダル獲得、98年の全米オープン優勝。そして世界ランキング1位獲得の実績が相まって、とても人気が高い選手だった。

 彼女のショットの特徴は、その体格に似合わず、力任せのスイングをしないことだ。例えばこの両手打ちバックハンドの分解写真を見てほしい。腕が先行してボールを捉え(6~7コマ目)、それについていく形で上体が回っている(8~10コマ目)。
 
 これが軸を作った時の教科書的なスイング。上体の回転で腕を引っぱってくる方法もあるが、ダベンポートはそうはせず、本当にきれいに腕を振り抜いている。

 彼女の場合、もともと力があるから強引に身体を使う必要もないのだろうが、アマチュアだと強いボールを打とうとして力むと、どうしても腕力を使ってしまう。ダベンポートのリラックスした腕の使い方は、多くの人に参考になるはずだ。

【プロフィール】リンゼイ・ダベンポート/Lindsay Davenport(USA)
1976年生まれ。WTAランキング最高位1位(98年10月)。グランドスラム通算3勝(AUS:00年、WIM:99年、US:98年)。189センチの長身を生かしたサービスや、高い打点からの強烈なストロークを武器に活躍。20歳でアトランタ五輪シングルス金メダルを獲得し、98~00年にはGS3大会を制覇。その後はGS決勝に4度進出するが、いずれも全盛期のウィリアムズ姉妹に阻まれた。GSで唯一優勝のない全仏ではベスト4が最高成績。引退後はM・キーズのコーチを務めた。

編集協力●井山夏生 構成●スマッシュ編集部

【PHOTO随時更新】ダベンポートをはじめ、サンプラス、アガシらレジェンドの希少な分解写真
 
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