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ATPがグランドスラムベストマッチ5選を発表!1位はジョコビッチが制した全豪決勝の激闘

酒井朋子

2020.12.25

1位に選出されたのは、ジョコビッチとティームの全豪オープン決勝戦。(C)Getty Images

 ATP(男子プロテニス協会)は、公式ホームページで2020年のグランドスラムのベストマッチ5選を発表した。新型コロナウイルスにより多大な影響を受けたATPツアーだったが、グランドスラムはウインブルドンを除く3大会が開催。その中から、ベストマッチ1位に選ばれたのは、全豪オープン決勝のノバク・ジョコビッチ(セルビア)対ドミニク・ティーム(オーストリア)の一戦だ。

1位
ノバク・ジョコビッチ def. ドミニク・ティーム
2020年2月2日 全豪オープン決勝 6-4, 4-6, 2-6, 6-3, 6-4

 チャレンジャーとして、王者ジョコビッチに立ち向かうティームは、序盤から攻撃的なプレーを展開。そのゲームプランが功を奏し、ティームはセットカウント2−1とリードした。一方のジョコビッチは、第2セットを失ったあと脱水症状に見舞われてしまう。「コート上では(途中で)本当に気分が悪くなってしまったよ」と試合後に語っていた。

 それでも第4セット、ゲームカウント1−1の場面でティームにブレークポイントを握られた際、ジョコビッチはこれを見事なサーブ&ボレーで切り抜ける。このポイントが、試合の流れを大きく変えたようだ。ジョコビッチは「おそらく、今夜は1ポイント、1ショットが我々を引き離した」と、決勝戦がいかに厳しい戦いだったのかを振り返る。
 
「第4セットの途中からはエネルギーを取り戻して、また試合に戻ってこられた。僕は試合に負ける寸前だったんだ」

 辛くも第4セットを奪ったジョコビッチは、ファイナルセットでも主導権を手放すことなく、3時間59分、6-4, 4-6, 2-6, 6-3, 6-4で勝利を収めた。

 試合後、「特に変えるべきことはないと思う」と話したのはティーム。「最後の2セットは、間違いなく自分のすべてを出し切ったよ。ノバクは、テニス史上最高の3人のうちのひとりだ。グランドスラムの決勝で彼と対峙する時は、常に些細なことが勝負の決め手となる」と語った。

 ティームにとっては悔しい敗戦となったが、グランドスラム決勝の舞台で、世界No.1を限界まで追い詰めたことは大きな自信につながっただろう。その後の全米オープンでは、念願だったグランドスラムタイトルを獲得、『Nitto ATPファイナルズ』の準決勝では、ジョコビッチにリベンジを果たした。

 ベストマッチ2位~5位は以下の通り。

2位 ニック・キリオス(オーストラリア) def. カレン・ハチャノフ(ロシア)
2020年1月25日 全豪オープン 3回戦  6-2, 7-6(5), 6-7(6), 6-7(7), 7-6(8)

3位 ロジャー・フェデラー(スイス) def. ジョン・ミルマン(オーストラリア)
2020年1月24日 全豪オープン 3回戦  4-6, 7-6(2), 6-4, 4-6, 4-6 7-6(8) 

4位 ボルナ・チョリッチ(クロアチア) def. ステファノス・チチパス(ギリシャ)
2020年9月4日 全米オープン 3回戦 6-7(2), 6-4, 4-6, 7-5, 7-6(4) 

5位 ロレンツォ・ジュスティーノ(イタリア)def. コレンティン・ムテ(フランス)
2020年9月28日 全仏オープン 1回戦 0-6, 7-6(7), 7-6(3), 2-6, 18-16

文●酒井朋子

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【動画】ジョコビッチとティームの全豪決勝ハイライト。試合の流れを変えたジョコビッチのサーブ&ボレーは27:30~