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海外テニス

父を慕うサイボチ-ヴィウチと、骨折から驚異の回復でケツマノビッチが今季初タイトル!【ツアー初優勝の軌跡|2】

東真奈美

2020.12.26

ブラジル代表としてデ杯を戦ったサイボチ-ヴィウチ(左)、クレーで初優勝を飾ったケツマノビッチ。(C)Getty Images

ブラジル代表としてデ杯を戦ったサイボチ-ヴィウチ(左)、クレーで初優勝を飾ったケツマノビッチ。(C)Getty Images

 テニスのツアー大会で初優勝を飾る。それは選手にとって最高に喜ばしい瞬間だ。ATP(男子プロテニス協会)公式サイトが、2020年に初めてトロフィーを掲げた6名の選手を特集している。前回に続き、若手の2名を紹介しよう。

 チアゴ・サイボチ-ヴィウチは、チリ・オープンでツアー初優勝を挙げた。「信じられないほどの快挙だ。ずっと夢見ていたことだった」と、当時182位、ワイルドカードでの出場だった19歳は、興奮気味にコメントしている。

 彼にとっては初のツアー決勝で、相手は直前に開催されたアルゼンチン・オープンでツアー初優勝を経験したばかりのキャスパー・ルード。「決勝に進んだ時は、この1週間プレーしてきたように、チャンスを逃さないようにしなければと思った」と、平常心を心掛け、フルセットで勝利を手に入れた。

 19年はツアー下部大会であるチャレンジャーを中心に回っており、「(試合から)何を得て、シーズン中にどう改善してきたかが大切。自分でもよくやったと思うし、チームに感謝しなければ」と、躍進の理由を話した。

 彼の父親はテニスアカデミーを経営しており、その父を「テニスを教えてくれた人。父はプレーヤーだったし、いつも自分のそばにいてくれて、必要なことは何でも手伝ってくれた。普通の父親だけれど、僕にとってはアイドルだ」と、最高の感謝の言葉を述べた。好きなテニス選手は、ラファエル・ナダルで、「もし彼のキャリアの20%でも達成できたら最高だ」と、語っている。
 
 2020年ツアー4人目の初優勝者は、セルビアのミオミル・ケツマノビッチ21歳。8月のオーストリアで開催されたゼネラリ・オープンでタイトルを獲得し、前年のネクストジェンATPファイナルズのライバルだったウゴ・アンベールとキャスパー・ルードに続いて、初優勝者リストに名前を連ねた。

 昨年6月のアンタルヤ・オープンでは自身初のツアー決勝進出となったが勝利を逃している。「精神的にタフな試合だったよ。マッチポイントがあったのに、結局勝てなかったから、本当に心が折れそうだった。あれから色々な経験をしてきたから、その成果が出たのは間違いない」と、その14カ月後に2度目のタイトルを賭けた戦いをものにした。

「初のツアータイトルを獲得できたことは、とても意味があるよ。このために一生懸命頑張ってきたんだ。こんなに早く達成できて幸せだ」とケツマノビッチ。実はツアー休止中に練習をしていた時に腕を骨折しており、その2カ月後の快挙だった。「ツアーを回っている時は、全てがあっという間に終わり考えることをしなくなる。ツアーを離れたことで、感謝する気持ちが強くなった」と、コロナ禍で成長した姿を見せた。

■初優勝の決勝スコア
チアゴ・サイボチ-ヴィウチ(ブラジル)7-5 4-6 6-3 キャスパー・ルード(ノルウェー)
ミオミル・ケツマノビッチ(セルビア)6-4 6-4 ヤニック・ハフマン(ドイツ)

文●東真奈美

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