海外テニス

元女子テニス世界1位のアザレンカが“全豪オープン前の隔離措置”への適応を呼びかけ!

中村光佑

2021.01.20

オーストラリア入国後の強制隔離措置に不満を募らす選手に対し、アザレンカが呼びかけた。(C)Getty Images

 女子テニス元世界1位(現13位)のビクトリア・アザレンカが1月19日に全豪オープンの開催に先立って行なわれている検疫制度について、選手と一般市民の両方に共感を求めるための書簡を公開した。

 新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、選手たちは現在1月15日から14日間の隔離を命じられている。その中でも72人の選手は、メルボルン着のチャーター機から陽性者が確認されたことで濃厚接触者と判定され、外出及び練習を許されない完全隔離となっている。

 完全隔離となった一部の選手からはすでに「不公平だ」などと声が上がっており、男子世界13位のロベルト・バウティスタアグートも「Wi-fiがある刑務所のようなものだ」と苦言を呈しているほどだ。

 そんな中アザレンカが大会側や一般市民、選手との間で垣間見える緊張を緩和するために声を上げた。

「私たちは世界的な(コロナの)パンデミックを抱えていますが、どのようにしてフル稼働し、不具合なく活動するかという明確な戦略を誰も持っていません。ある物事が起こったことに対して私たちは受け入れ、適応し、動き続ける必要があります」とした上で、

「私は全ての同僚に協力、理解、そして従うことを余儀なくされた、非常に厳しい制限の多くを乗り越えてきた地域社会のための共感をお願いしたいと思います」と呼びかけている。
 
 また、「全ての人々の健康と安全を確保することが私たちの最優先事項であることを、地域の人々に知ってもらい、理解してもらいたいと思います。誰かができる範囲で、あるいは喜んでくれる範囲で、お互いに支え合うようにしてください。思いやりのある環境があり、協力し合えば、物事は常に簡単になります。私たちの生活を楽にしようと疲れを知らずに働いている人たちに敬意を持っていただきたいです」とメッセージを発信している。

 2人の選手から新型コロナウイルスの陽性者が判明するなど、状況は悪化する一方だが、男女ともに選手たちが可能な限り良いコンディションで大会を迎えられるように祈るばかりだ。

文●中村光佑

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