アメリー・モーレスモは、スケールの大きなテニスができる女子屈指の選手だった。ベースラインでのラリーも、ネットプレーもソツなくこなす彼女は、女子には珍しいオールラウンドプレーヤーと言えた。
デビュー当初はスピンの強打に偏りがちのプレーだったモーレスモ。しかし、経験を重ねるうちにスライスもうまく使うようになり、展開の幅が広がった。
また、彼女はフェドカップのフランス代表を10年にわたって務め、通算30勝9敗の記録を残している。真面目で、責任感の強い選手で、それ故に大舞台では重圧にさいなまれることが多かった。長く「無冠の女王」などと呼ばれたが、キャリア後半はメンタル的にも成長し、2006年の全豪オープン、ウインブルドン優勝へとつなげている。
分解写真で紹介したのは、モーレスモのバックハンドスライスでのリターン。このショットを身に付けてから、彼女のプレーは明らかに多彩になった。
技術的に目を引くのは、スライスとしてはグリップが割と厚めということ。通常はテイクバックで打球面が頭の方を向くが、4~5コマ目を見ると上を向いており、この状態から振り出すとインパクトで面が立って、当たりが厚くなる。打点を前に取れれば伸びのあるボールを打てるのが、厚めのグリップの利点。女子選手が前でボールを押さえ込むのは簡単ではないが、モーレスモは腕力が強いので、それができたのだ。
ベースラインでのラリーでも、トップスピンとスライスを混ぜて使うことで、相手を翻弄したモーレスモ。パワフルだが、それだけに頼らないプレースタイルが、彼女を成功へと導いた。
【プロフィール】アメリー・モーレスモ/Amelie Mauresmo(FRA)
1979年生まれ。WTAランキング最高位1位(2004年9月)。グランドスラム通算2勝(AUS:06年、WIM:06年)。強力なストロークに加え、スライスやネットプレーも得意とする技巧派オールラウンダー。99年全豪の準優勝でブレークすると、04年アテネ五輪では銀メダルを獲得。同年にフランスの女子選手初となる世界ランキングNo.1に到達した。06年にはGS2勝を挙げ、09年に引退。その後はロドラ、アザレンカ、バルトリ、マリー、プイユらのコーチ、フェド杯フランス代表監督を務めた。
編集協力●井山夏生 構成●スマッシュ編集部
【PHOTO随時更新】モーレスモをはじめ、サンプラス、アガシらレジェンドの希少な分解写真
デビュー当初はスピンの強打に偏りがちのプレーだったモーレスモ。しかし、経験を重ねるうちにスライスもうまく使うようになり、展開の幅が広がった。
また、彼女はフェドカップのフランス代表を10年にわたって務め、通算30勝9敗の記録を残している。真面目で、責任感の強い選手で、それ故に大舞台では重圧にさいなまれることが多かった。長く「無冠の女王」などと呼ばれたが、キャリア後半はメンタル的にも成長し、2006年の全豪オープン、ウインブルドン優勝へとつなげている。
分解写真で紹介したのは、モーレスモのバックハンドスライスでのリターン。このショットを身に付けてから、彼女のプレーは明らかに多彩になった。
技術的に目を引くのは、スライスとしてはグリップが割と厚めということ。通常はテイクバックで打球面が頭の方を向くが、4~5コマ目を見ると上を向いており、この状態から振り出すとインパクトで面が立って、当たりが厚くなる。打点を前に取れれば伸びのあるボールを打てるのが、厚めのグリップの利点。女子選手が前でボールを押さえ込むのは簡単ではないが、モーレスモは腕力が強いので、それができたのだ。
ベースラインでのラリーでも、トップスピンとスライスを混ぜて使うことで、相手を翻弄したモーレスモ。パワフルだが、それだけに頼らないプレースタイルが、彼女を成功へと導いた。
【プロフィール】アメリー・モーレスモ/Amelie Mauresmo(FRA)
1979年生まれ。WTAランキング最高位1位(2004年9月)。グランドスラム通算2勝(AUS:06年、WIM:06年)。強力なストロークに加え、スライスやネットプレーも得意とする技巧派オールラウンダー。99年全豪の準優勝でブレークすると、04年アテネ五輪では銀メダルを獲得。同年にフランスの女子選手初となる世界ランキングNo.1に到達した。06年にはGS2勝を挙げ、09年に引退。その後はロドラ、アザレンカ、バルトリ、マリー、プイユらのコーチ、フェド杯フランス代表監督を務めた。
編集協力●井山夏生 構成●スマッシュ編集部
【PHOTO随時更新】モーレスモをはじめ、サンプラス、アガシらレジェンドの希少な分解写真