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海外テニス

リスクを顧みず強打を貫いた天才、サフィン。精神面のムラが惜しまれるが、それも彼の魅力【レジェンドFILE35】

スマッシュ編集部

2021.01.03

ボールに食い込まれながらも、安全な返球を選択しないのがサフィンだ。左足を上げて身体を逃がし、スイングスペースを確保。ジャックナイフで強烈なリターンを放っている。写真:スマッシュ写真部

ボールに食い込まれながらも、安全な返球を選択しないのがサフィンだ。左足を上げて身体を逃がし、スイングスペースを確保。ジャックナイフで強烈なリターンを放っている。写真:スマッシュ写真部

 マラット・サフィンの才能には、選手の誰もが一目置いていた。

 鮮烈なデビューだった。予選から勝ち上がった1998年の全仏オープン、1回戦でアンドレ・アガシ、2回戦で前年優勝のグスタボ・クエルテンに勝ってしまった。その時のサフィンはプロ2年目の18歳。「恐ろしい新人が現れた」と騒がれたものだ。

 モスクワ生まれのサフィンだが、14歳からスペインに移っている。つまり、世界最先端のテニスをそこで培ったのだ。

 彼が放つ全てのショットはとてつもなく強力で、高度なテクニックも難なくこなした。サーフェスを選ばずに活躍できたのは、彼のそうした才能があったからだ。
 
 中でも特筆すべきは、彼のリターン能力の高さだ。紹介した連続写真はジャックナイフでのリターンだが、緩めのボールを叩く通常のジャックナイフとは違う。サービスが予想以上に食い込んできたため、彼は咄嗟に左足を上げ、ジャックナイフにすることで身体を逃がし、強く叩ける体勢を作っているのだ。

 大抵の選手なら安全に返す選択をするだろうが、あくまで強打にこだわるのがサフィンらしいところ。そのダイナミックでスリリングなテニスにファンは酔いしれた。

 ただし、成績にはムラがあった。メンタルが安定しなかったのだ。あれだけの才能を持ちながら、精神面で崩れてしまう場面がよくあった。ラケットを叩き折る姿を記憶しているファンも少なくないだろう。

【プロフィール】マラット・サフィン/Marat Safin(RUS)
1980年生まれ。ATPランキング最高位1位(2000年10月)。グランドスラム通算2勝(AUS:05年、US:00年)。193センチの長身を生かしたサービスと、強力な両手バックハンドを武器とするオールラウンダー。メンタルにムラがあり、好不調の波が激しかった。00年全米決勝ではサンプラスをストレートで破り、20歳の若さでGS初優勝。05年全豪ではフェデラー、ヒューイットを下し2度目のGSタイトルを獲得する。6つ下の妹、ディナラ・サフィーナと史上初の“兄妹世界1位”を実現させた。

編集協力●井山夏生 構成●スマッシュ編集部

【PHOTO随時更新】サフィンをはじめ、サンプラス、アガシらレジェンドの希少な分解写真
 
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