海外テニス

錦織圭の復帰戦は世界4位に敗退も“新生錦織”を披露。日本は強豪ロシアに敗れる〈SMASH〉

スマッシュ編集部

2021.02.03

4カ月ぶりの実戦で世界4位のメドベージェフと戦った錦織圭。(C)Getty Images

 2月2日から開幕した男子テニスの国別対抗戦『ATPカップ』(2月2日~6日/オーストラリア/メルボルン)。2日目となる3日、日本対ロシア戦が行なわれた。日本はこれが初戦で、1試合目は西岡良仁が、アンドレイ・ルブレフに1-6、3-6で敗れている。

 2試合目はエース対決で、望みをダブルスにつなげたかった錦織圭だったが、ダニール・メドベージェフに2-6、4-6で敗れて、日本の敗北が決定した。これにより、ロシアの準決勝進出が確定した。

 現在ATP41位の錦織は、15日間の完全隔離を行なっての出場。加えて、昨年の全仏オープン以来4カ月ぶりの実戦となる。試合の感覚を模索しながらの錦織に対し、24歳のメドベージェフは昨年のATPファイナルズを制した世界4位だ。

 錦織のサービスから開始。昨年末まで肩の心配があっただけに、サービスを打っている姿を見て安心したファンも多いだろう。1ゲーム目から両者引かない長いラリーが展開されるが、錦織がブレークを許してしまう。
 
 徐々に感覚を戻してきた錦織は、相手を左右に振ったり、鋭いリターンを放ってブレークバックに成功し、2-2に戻す。ドロップショットを打ったり、サーブ&ボレーを試みたりと、色々な引き出しを見せる錦織だが、決めにいったところで惜しいミスも出て、第1セットは2-6で落とした。ミスの数はメドベージェフの6本に対して、錦織は12本。久しぶりの試合だと言うことを考えれば、致し方ないところだろう。

 第2セットに入ると、錦織は頻繁にネットへと出ていく。サーブ&ボレーも多用し、デュースサイドからのワイドサービスは効果的に決まっていた。ちなみに、サービスでは後ろ足を前に引き付けて打つ、ピンポイントスタンスに戻すなど、戦術だけでなくフォームにも変化があった。

 第2セットはキープが続き、もはや世界4位と41位の対戦とは思えず、勝敗もわからなくなってきた。しかし、4-4の錦織サービスゲームで、メドベージェフが素晴らしいフットワークを見せてブレークされてしまい、2-6、4-6で敗退となった。

 試合には敗れたものの、復帰戦でメドベージェフとこれだけのプレーができたことで、本人も手応えを感じていることだろう。ファンにとっても、今後の活躍を楽しみにしたくなるような試合だった。
 
≪ATP CUPとは?≫
●今年のATPカップには12カ国が出場しており、3カ国ずつ4グループに分かれて総当たり戦を行なう。それぞれの組でトップに立った4カ国が準決勝で対戦。シングルス2試合、ダブルス1試合の順番で計3試合を行ない、先に2勝した方が勝利となる。

●日本はグループDで、ロシア・アルゼンチンと同じ組。ロシアの準決勝進出が決定。明日、日本はアルゼンチンと対戦する。

●日本代表メンバー/錦織圭、西岡良仁、マクラクラン勉、松井俊英、マックス・ミルニー監督

構成●スマッシュ編集部

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