ATPツアーの『チリ・オープン（チリ・サンティアゴ／クレー／ATP250）』では、シングルス２回戦で予選勝者のホルガー-ビタス-ノドスコフ・ルネ（デンマーク）が第２シードのブノワ・ペール（フランス）に６－２、６－３のストレートで勝利した。

　世界ランク410位のルネは、弱冠17歳ながらデンマークの２番手を張る期待の若手。元ジュニア世界１位で、現在はフューチャーズ大会を主戦場とする。ここのところは非常に好調で、特に昨年11月以降は、出場したフューチャーズ７大会中３大会で優勝、２大会で準優勝と素晴らしい成績を残した。

　今大会がワイルドカード（主催者推薦）で出場した前週のアルゼンチン・オープンに続きツアー２戦目。初戦で記念すべきツアー初勝利を挙げたルネだが、今度は世界29位のペールを圧倒して見せて、テニスファンから大いに注目を浴びている。

　ATPツアー公式サイトによると、ルネは試合後に「ペールのような才能のある選手を倒せて、とてもいい気分です」とコメント。また、この日は比較的攻撃力の劣るペールのフォア側に狙いを定めていたようで「彼のフォアに重いスピンショットを打ち、短いボールが来るたびに早いタイミングで攻めました。今日の内容にはとても満足しています」と語っている。
  　４歳年上の姉が始めたのをきっかけに、６歳からテニスの虜になったというルネの憧れは、“生ける伝説”ことロジャー・フェデラー（スイス）。2019年の『Nitto ATPファイナルズ』で、練習パートナーとして大会に帯同したルネは、フェデラーとヒッティングする機会にも恵まれたようで、「夢のようでした。コート外でも本当に親切で、人生で最も素晴らしい時間でした。」と当時を振り返った。

　また尊敬する選手としては、同じデンマーク勢で昨年引退した女子元世界１位、キャロライン・ウォズニアッキを挙げる。「彼女はコート上で信じられないほどのファイター。僕たちも彼女から多くを学ぶことができると思います」とする。

　デンマークは現在、男女ともにトップで活躍する選手がほぼいない状態だが、いずれは自身が彼女のように母国ファンへ希望を届ける存在になりたいと願っているという。

　準々決勝の相手は、第８シードのフェデリコ・デルボニス（アルゼンチン）。上位選手との厳しい戦いが続くが、まだまだフレッシュな旋風を巻き起こしてくれるように期待したい。

構成●スマッシュ編集部

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