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【プロの観戦眼1】「次世代ビッグ4」シャポバロフの華麗なジャンピングバックハンドを見よ~近藤大生<SMASH>

赤松恵珠子(スマッシュ編集部)

2021.03.27

ジャンクナイフの片手バージョンを打つシャポバロフ。これを試合で打つ選手はほとんどいない。右下は近藤大生プロ。写真:THE DIGEST写真部

 このシリーズでは、多くのテニスの試合を見ているプロや解説者に、「この選手のこのショットがすごい」という着眼点を教えてもらう。試合観戦をより楽しむためのヒントにしてほしい。

 第1回は近藤大生プロに話を聞いた。注目したのは、21歳で世界ランク12位のデニス・シャポバロフの片手ジャンピングバックハンドだ。

「エアKのようなトリッキーなショットです。このショットが試合で出るだけで『ワオ!』となります。こういう新しいショットを生み出すというのが、遊び心があっていいですね」

 このショットはジャックナイフの片手バージョンで、そう何度も試合で見られるものではない。実際、打つのが難しく、「片手バックハンドは右足を着いたタイミングでしかパワーが出せないのに、それを空中で、足を使えない所でやれてしまうのだから、すごい。身体能力が高く、身体が柔らかくてバネがあり、ラケットを振っていけるから打てるのでしょう」と、片手バックハンドの近藤プロも絶賛している。
 
 シャポバロフについては、「攻撃的なオールラウンダーで、ボールを早いタイミングで取って、ネットにも出ることができます。次世代ビッグ4になれる存在です」と言う。

「次世代ビッグ4」という興味深い言葉が出てきたので、近藤プロが考える4選手を聞いてみた。「シャポバロフ、アレクサンダー・ズベレフ(23歳)、ステファノス・チチパス(22歳)、ヤニック・シナー(19歳)ですね」。

 ビッグ4になるためには、弱点がないことが重要とのこと。あなたの考える「次世代ビッグ4」はどの選手だろうか? そうした視点で試合観戦をしていくのも面白いだろう。

◆Denis Shapovalov/デニス・シャポバロフ(カナダ)
1999 年4 月15 日、イスラエル生まれ、バハマ在住。185cm、75kg、左利き、片手BH。母の指導の下、5歳でテニスを始める。現在テニスアカデミーを運営している母は今もチームの一員。18年に現役引退したミカエル・ヨーズニー氏を19年8月よりコーチに招聘した。

取材・文●赤松恵珠子(スマッシュ編集部)

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