海外テニス

格上に逆転勝利した19歳新鋭ムゼッティが「若い僕を見下していた」と対戦相手を痛烈批判〈SMASH〉

中村光佑

2021.04.10

昨年は錦織をはじめワウリンカやティアフォーら格上を次々と破るなど成長著しいムゼッティが、若い自分を見下すような相手の態度に噛みついた!(C)Getty Images

 男子テニスツアー「サルデーニャ・オープン」(4月5日~11日/イタリア・カリアリ/ATP250/クレー)でベスト8入りを果たした19歳の新鋭ロレンツォ・ムゼッティ(イタリア/90位)が、2回戦で対戦したダニエル・エバンズ(イギリス/32位)の試合中の態度を批判した。

 1回戦でデニス・ノバク(オーストリア)に完勝したムゼッティは、2回戦で第1シードのエバンズと対戦。この試合は最終セットでタイブレークへともつれ込む激戦となり、ムゼッティは一時エバンズに4本のマッチポイントを握られていた。

 しかし、そこから驚異的な粘りを見せたムゼッティが絶体絶命のピンチを見事に切り抜け、大逆転で格上のエバンズから勝利をもぎ取った。

 勝利が決まった瞬間、ムゼッティはよほどうれしかったのか、ラケットをコートに叩きつけるという異例の行動に出た。この行為は一部のテニスファンの間で物議を醸していたが、実は試合の途中からすでにムゼッティはエバンズの態度に苛立ちを募らせており、そのフラストレーションが爆発したようだ。

 試合終了直後の記者会見でムゼッティは、「タイブレークで3-6になった時、彼は本当にいいプレーをしていた」と称賛した一方で、「ただ僕は子どものようには扱われたくはない。でも彼は僕を見下していた」とエバンズを痛烈に批判した。
 
 さらに「ピッチ上には尊敬すべき経験豊富な選手がたくさんいるけど、エバンズのような選手は、僕の若さに付け込んで試合に勝とうとしてくるんだ」ともコメント。具体的にどの場面に言及したのかは不明だが、やはりエバンズに対して試合中に何らかの不快感を覚えていたようだ。

 それでもムゼッティは「とにかく僕は落ち着いて、一つひとつのポイントをプレーするようにした。この勝利は本当にうれしいし、自分を誇りに思う」と満足気に会見を締めくくった。

 なお、ムゼッティは現地4月9日に行なわれた準々決勝でラスロ・ジェレ(セルビア/57位)にフルセットの末に敗退。残念ながら大会初のベスト4進出を逃している。

文●中村光佑

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【動画】ムゼッティがエバンスに大逆転勝利してラケットを叩きつけた試合