海外テニス

きっかけは手紙から――大坂なおみと憧れのセレナの友情に海外注目!「彼女は4度の金メダリストをママと呼んだ」

THE DIGEST編集部

2021.04.15

女子テニス界を牽引する2人のリーダーは、プライベートでも良好な関係を築いているようだ。(C)Getty Images

 女子テニス界トップの二人は、特別な絆で結ばれているようだ。

 スポーツ専門メディア『ESSENTIALLY SPORTS』は、「大坂なおみとセレナ・ウィリアムズは友達なのか?」と題した記事で、2人の関係性に注目し、これまでの両者の接点を振り返っている。そして結論として、2人は友だちどころか「お互いに対するこの上ないリスペクトを伴った、親密な関係を保っている」と綴った。

 セレナは、史上最強の女子テニスプレーヤーと称される、正真正銘のレジェンドだ。17歳11か月の若さで全米オープンを制して四大大会初優勝を果たすと、その後はグランドスラム4連続優勝や生涯ゴールデンスラムなどを達成。怪我や出産で度々プレーから離れながら、39歳になった今でも世界ランクは8位で、衰えを感じさせない成績を残している。四大大会優勝回数は39回で現役選手の中では1位、シングルスの優勝回数23回も、オープン化以降では歴代1位だ。

 一方の大坂は、セレナが初めて四大大会を制したのと同じ年にテニスを始め、2013年にプロ転向。翌年には全米オープン覇者のサマンサ・ストーサーを破り注目を集める。2018年に日本人で初めて四大大会優勝を果たすと、翌年の全豪オープンも獲って世界ランク1位に。コロナ禍で行なわれた昨年の全米オープン、今年の全豪オープンも制し、現在世界ランクは2位だ。

 ビッグネーム同士は、互いにライバルとして意識しあったり、本人たちの関係のないところで報道が飛び交ったりすることもあり、何かと距離を取りがちだ。上にあげた通り2人は間違いなく超大物だが、そうしたケースには当てはまらないようだ。

 きっかけは、2人の初顔合わせとなった2018年の全米オープンの決勝だったという。この試合はセリーナのコーチング行為やラケットの破壊、主審への暴言などもあり荒れたゲームで、勝った大坂が試合後に涙を流すなど、後味の悪いものとなった。

「オオサカは彼女の大ファンで、壁に彼女のポスターを貼っていたことを告白さえしていた。しかし、彼女たちの初のプロとしての対面は、日本人の若者が望んだようにはいかなかった」
 
 しかし、これが逆に2人の距離を縮めたという。セレナは試合後、大坂に謝罪の手紙を送り、そこには「私はあなたの将来が待ち遠しい。そして信じてほしい、私はいつもあなたを大ファンとして見ている。私はあなたを誇りに思う」と綴られていたという。これ以降、2人には「畏敬の念を起こさせる絆」が生まれたと、同記事は伝えている。

 そして迎えた今年の全豪オープン準決勝では、まったく異なる2人の様子が見られた。

「見るものを温かく包んだ光景が、勝ったにもかかわらずオオサカが彼女のアイドルにお辞儀をしたことだった。さらにセレナも、お返しにリスペクトと称賛を示した」

 コート内にとどまらず、SNS上でもその親密さがうかがえる。2020年に大坂は「私とそのお母さん」と添えて2人のツーショット写真を投稿。同記事は「オオサカは4度のオリンピック金メダリストをママと呼んだ」と伝えている。

 トッププレーヤー同士として、ファンとアイドルとして、理想的な関係を築く2人が今後どんな交流をコート内外で見せてくれるのか、プレー以外も要注目だ。

構成●THE DIGEST編集部

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