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【女子国別対抗戦】エース対決で内藤祐希が世界5位に惜敗。日本はウクライナに敗れ、来年は地域ゾーンへ降格<SMASH>

スマッシュ編集部

2021.04.17

抽選会でのスビトリーナ(左)と内藤祐希(右)。エース対決にふさわしい激闘を繰り広げた。写真:日本テニス協会

 女子テニスの国別対抗戦「ビリー・ジーン・キング・カップ by BNPパリバ」(旧フェドカップ)プレーオフ、日本対ウクライナ戦は4月17日、ウクライナのチョルノモルスク(屋外クレーコート)で2日目を迎え、シングルスのエース同士が激突した。

 日本は20歳の内藤祐希(世界ランキング172位)がエリーナ・スビトリーナ(5位)に挑み、2-6、6-4、6-7(3)と肉薄するも、2時間19分の激戦の末に惜敗。初日に2敗していた日本はこれで3敗目となり、プレーオフ敗退が決まった。

 第1セットは、最初のゲームをスビトリーナがキープした後、5ゲーム連続でサービスダウンとなる荒れた展開。そして4-2からスビトリーナがキープしたのに対し、内藤はここでもブレークを許し、1つもキープできないまま2-6で第1セットを落とした。「第1セットは相手に押されてしまった」と内藤。

 しかし第2セットに入ると、「集中し直した」と言う内藤が流れを引き寄せる。立ち上がりでスビトリーナのサービスをブレークすると、第2ゲームでブレークポイントを凌いで初めてのサービスキープに成功。これをきっかけにすんなりとキープできるようになり、以降は1ブレーク差を保ったまま、内藤が6-4でセットを奪い返した。「昨日の敗戦から学んで、しつこく、攻めが早すぎないように、ミスを減らすことを心掛けた」というのが、この日の内藤のテーマ。それがうまく機能した第2セットだった。
 
 第3セットは再びブレーク合戦となり、第5ゲームまでオールブレークの後、内藤がキープして4-2とリードする。しかしスビトリーナも粘って3ゲーム連取するなど、試合はどちらに転ぶかわからないシーソーゲームとなり、タイブレークに突入した。しかし最後は内藤にミスが出てしまう。「自分からという気持ちが強くなりすぎて、もう少ししつこく行くのを継続すべきだった」と悔やんだが、3-4から3ポイント連取で突き放され、あと一歩のところで大番狂わせとはならなかった。

「最後の6-5のサービスゲームでキープできなかったのが課題。でもクレーで通用する試合ができた。悔しい試合でショックだったが、いい収穫があったとポジティブに捉えようとしている」。声を詰まらせながらそう語った内藤。クレーで世界5位をここまで追い詰めたのだから、大きな自信にしていいはずだ。

 なお、第4試合の村松千裕対マルタ・コスチュクは実施されず、第5試合のダブルスで秋田史帆/佐藤久真莉はL・キチェノク/N・キチェノクに2-6、6-7(2)で敗れ、日本は0勝4敗で対戦を終えた。ウクライナは来年のファイナル予選ラウンドに進み、日本はアジア/オセアニアゾーンのグループ1部に回る。

構成●スマッシュ編集部

【画像】代表入りした内藤、秋田、佐藤らがしのぎを削った全日本選手権のスナップ
 
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