男子テニス世界ランク35位のブノワ・ペール(フランス)が度重なるツアー内での不適切な行動により、FFT(フランステニス連盟)から東京オリンピックの出場資格をはく奪された。
今季はこれまでの戦績が10戦1勝9敗と凄惨なものとなっているペール。以前から素行が問題視されていたが、最近は特に暴走気味で、初戦敗退となった3月のアルゼンチン・オープンではコート上に唾を吐き、相手のマッチポイントで投げやりな無気力サービスを2本続けて自滅するなど、数々の問題行動を起こし、テニス界でも物議を醸していた。
この背景にはコロナ禍の様々な制約の下で転戦せざるを得ない状況が大きなストレスとなっているようだ。以前にもテニスツアーの現状を「悲しく、退屈で、馬鹿げたものだ」と嘆いていたペールは、4月初めのモンテカルロ・オープンで1回戦敗退となった直後にも「ツアーは腐ってしまった。勝っても負けてもどうでもいいんだ」などと言い放ち、テニスに対する熱意を完全に失っていた。
東京オリンピックにおけるテニス競技のシングルス出場権は、今年の全仏オープン(5月30日~6月13日)終了後に更新される世界ランキングが基準となり、男女1カ国および地域最大各4人、上位56人の選手に付与されるため、35位のペールは射程圏内を捉えていた。
だが、FFTは一連の問題行動を受けて調査を実施。「不適切でスポーツマンシップに反する」ことを理由に、ペールを東京オリンピックの選考対象から外すことを決定したという。
これに伴いFFTの会長を務めるジル・モレトン氏が公式声明文を発表。「今年に入ってからのペールの行動は、テニスをはじめとするスポーツの価値を著しく損なうものであり、オリンピック精神とは全く相容れないものだ」と出場資格のはく奪に至った経緯を説明。
その上で「我々のスポーツとフランス国家に対する責任の観点から、DTN(FFTの技術指導部門)の提案とセバスチャン・グロージャン氏(デビスカップのフランス代表のキャプテン)との協議に基づき、東京大会に出場する可能性がある選手のリストからペールを除外することとした」としている。
一方でFFTは「できることは何でもする」ともコメントしており、苦しい時間を過ごしているペールに対し、何らかのサポートを行なうことも示唆した。
残念ながらオリンピックの舞台で国を代表して戦うチャンスを失ってしまったペールだが、まずは一刻も早く荒んでしまったメンタル面の回復を祈りたいところだ。
文●中村光佑
今季はこれまでの戦績が10戦1勝9敗と凄惨なものとなっているペール。以前から素行が問題視されていたが、最近は特に暴走気味で、初戦敗退となった3月のアルゼンチン・オープンではコート上に唾を吐き、相手のマッチポイントで投げやりな無気力サービスを2本続けて自滅するなど、数々の問題行動を起こし、テニス界でも物議を醸していた。
この背景にはコロナ禍の様々な制約の下で転戦せざるを得ない状況が大きなストレスとなっているようだ。以前にもテニスツアーの現状を「悲しく、退屈で、馬鹿げたものだ」と嘆いていたペールは、4月初めのモンテカルロ・オープンで1回戦敗退となった直後にも「ツアーは腐ってしまった。勝っても負けてもどうでもいいんだ」などと言い放ち、テニスに対する熱意を完全に失っていた。
東京オリンピックにおけるテニス競技のシングルス出場権は、今年の全仏オープン(5月30日~6月13日)終了後に更新される世界ランキングが基準となり、男女1カ国および地域最大各4人、上位56人の選手に付与されるため、35位のペールは射程圏内を捉えていた。
だが、FFTは一連の問題行動を受けて調査を実施。「不適切でスポーツマンシップに反する」ことを理由に、ペールを東京オリンピックの選考対象から外すことを決定したという。
これに伴いFFTの会長を務めるジル・モレトン氏が公式声明文を発表。「今年に入ってからのペールの行動は、テニスをはじめとするスポーツの価値を著しく損なうものであり、オリンピック精神とは全く相容れないものだ」と出場資格のはく奪に至った経緯を説明。
その上で「我々のスポーツとフランス国家に対する責任の観点から、DTN(FFTの技術指導部門)の提案とセバスチャン・グロージャン氏(デビスカップのフランス代表のキャプテン)との協議に基づき、東京大会に出場する可能性がある選手のリストからペールを除外することとした」としている。
一方でFFTは「できることは何でもする」ともコメントしており、苦しい時間を過ごしているペールに対し、何らかのサポートを行なうことも示唆した。
残念ながらオリンピックの舞台で国を代表して戦うチャンスを失ってしまったペールだが、まずは一刻も早く荒んでしまったメンタル面の回復を祈りたいところだ。
文●中村光佑