海外テニス

「今この瞬間が最後のチャンス」39歳のフェデラーがカムバックに意気込み。全仏で完全復活なるか<SMASH>

中村光佑

2021.05.25

「もう1度やれる」と心から信じていると言うフェデラー。(C)Getty images

 男子テニス世界ランク8位のロジャー・フェデラー(スイス)がアメリカのカルチャー雑誌「GQ」のインタビューに応じ、完全復活に向けて意気込みを語った。

 今年3月のカタール・オープンで右膝のケガから約14か月ぶりのカムバックを果たした39歳のフェデラー。以降は「トレーニングに集中する」という理由で再び戦列を離れていたが、5月中旬に母国で開催されたジュネーブ・オープンで約2か月ぶりにツアーに復帰。同大会に第1シードとして出場したフェデラーは復帰初戦となった2回戦でパブロ・アンドゥハル(スペイン/75位)にフルセットの接戦の末に敗れたものの、キレのある動きと持ち味の芸術的なプレーで会場のファンを沸かせた。

 そんな中、今年で40歳を迎えるフェデラーに対し、多くのメディアやテニスファンの間でも現役引退説が囁かれるようになっている。やはりフェデラー自身もキャリアの終焉を意識し始めているのか、「今まさにこの瞬間が、何か偉大なことを成し遂げるための最後の大きなチャンスだと思っている」とコメントしている。

 だが一方で、「いつキャリアを終えるのかはわからない。正直なところ、自分が39歳だということも信じられないんだ」とした上で、今後に向けての抱負を力強く語った。
 
「誤解はしないでほしい。僕はもっと勝ちたいんだ。そうでなければ、去年の1年間、手術や5週間の松葉杖生活、リハビリなどのプロセスを経ることはなかったと思う。僕自身は、『もう一度やれる』と心から信じている。まずは身体がそれに耐えられることを自分自身で証明しなければならないが、すでに心の準備はできている」

 確かに年齢の面を考慮すれば、ツアーのトップレベルで戦い続けるには相当の負担がかかることは間違いないだろう。だが、世界中に星の数ほど存在するフェデラーのファンたちは、まだまだあの華麗なパフォーマンスを楽しみたいと思っているはずだ。グランドスラム通算20度の優勝をはじめ、数々の輝かしい功績を残してきたフェデラーの完全復活に大きな期待が寄せられている。

 なお、現時点でフェデラーは5月30日から開幕する全仏オープン(フランス・パリ/グランドスラム/クレー)への参戦を予定している。

文●中村光佑

【PHOTO】絶大な人気を誇るフェデラーの「ウインブルドン2019」を振り返る!
 
NEXT
PAGE
【動画】ジュネーブ・オープン2回戦、フェデラー対アンドュハルのフルセットにおよぶ激戦のハイライト