海外テニス

「スポーツ界に対しての侮辱だ」賛否を呼ぶ大坂なおみの“会見拒否”。元豪代表選手は「偽善に満ちている」と厳しく批判

THE DIGEST編集部

2021.05.29

大会期間中の会見拒否を宣言した大坂(左)。男子テニスのグロス氏(右)が苦言を呈している。(C)Getty Images

 女子テニス界をけん引する23歳の決断が物議を醸している。

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 5月30日から2週間にかけて開かれる「全仏オープン」(フランス・パリ/グランドスラム/クレー)の開幕3日前、女子テニス世界ランク2位の大坂なおみが大会期間中の記者会見にすべて応じない旨を、自身の公式TwitterとInstagramで表明した。

 その掲載された文章の中では、「人々がアスリートのメンタルヘルスについてあまり考えていないとよく感じていた」と記者たちへ苦言。「(特に)負けた選手をあのような場で問い詰めるのは、落ち込んでいる人を蹴落とすようなもの」と選手の精神状態に及ぼす悪影響を指摘していた。

 この発表には世界中で賛否両論が巻き起こっているが、その中でも世界最速サーブ(時速263キロ)のギネス記録を持つ元デビスカップオーストラリア代表のサミュエル・グロス氏(オーストラリア)は、かなり批判的な姿勢のようだ。オーストラリアの全国紙『Herald Sun』が伝えている。
 

 まず、今回の"会見ボイコット"について「彼女にすべてを与えてくれたスポーツに対する侮辱」と表現したグロス氏は、「ツアーに参加する全選手の義務づけられていることを、自分だけが簡単に選択できるなんて考えるのはまったくのジョークだ」とコメント。「彼女の発表は見当違いで、偽善に満ちている」と厳しい言葉を続けている。

 さらに「世界中でツアーを追う記者とは話したくないのに、顔の見えない何百万人ものフォロワーに向けて画像を投稿することには満足しているのだろうか?」と、皮肉を交えて言及。「彼女のような地位の選手は自分のスポーツを普及させ、その未来を守るためにできることをする責任がある」と、世界で戦った一選手として持論を展開した。

 コート内外で多くの話題を振りまく大坂。現地時間5月27日には今大会のドローが発表され、1回戦で世界ランク63位のパトリシアマリア・ティグ(ルーマニア)と対戦することが決まった。これまで以上に注目が集まる中、はたしてどのようなプレーを見せるのか。そのパフォーマンスから目が離せない。

構成●THE DIGEST編集部