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錦織圭が全仏OP1回戦でフルセットの末に勝利。クレー巧者の予選勝者に手こずり課題が残る<SMASH>

スマッシュ編集部

2021.05.31

相手を左右に振って、全仏オープン初戦をフルセットの末に勝ち切った錦織圭。(C)Getty Images

 5月30日から開幕した「全仏オープン」(5月30日~6月13日/フランス:パリ/クレーコート/グランドスラム)。大会初日には、日本のエース錦織圭が登場。予選上がりのアレッサンドロ・ジャンネッシ(イタリア)に6-4、6-7、6-3、4-6、6-4で勝利し、2回戦に進出を決めた。

 ランキング49位の錦織は、今季のクレーコートシーズンではトップ10選手以外には負けていない。今回の1回戦の相手は159位の選手。予選を勝ち抜いた勢いはあるが、錦織としてはしっかりと勝っておきたい相手だ。

 31歳の誕生日当日に全仏オープン本戦初出場の舞台に立ったジャンネッシは、普段はチャレンジャーを主戦場にしており、クレーを得意としている選手。両者は今回が初対戦となる。

 錦織は立ち上がりから調子が良く、左利きの相手に対してデュースサイドでの角度を付けたワイドサービスが効果的に決まっていく。ラリー戦でも相手の苦手なバックサイドを狙い優勢に進めた。

 第6ゲームをブレークした錦織だったが、ジャンネッシもスピンがしっかりとかかったフォアで対抗しブレークバック。第1セットからもつれるかと思われたが、10ゲーム目で錦織が再びブレークし、6-4でセットをものにした。

 第2セットはブレークゲームが多くなる。錦織はサービスが崩れてストロークにもミスが出てしまう。対するジャンネッシもミスを犯すが、最大限のプレーを出そうとする勢いがあった。タイブレークではその勢いが反映され、錦織は第2セットを失う。
 
 確実に取っておきたい第3セット。錦織は1ゲーム目からブレークに成功。サービスゲームではリズム良く、鋭いショットとドロップショットも鮮やかに決め、3ゲーム連続でラブゲームキープ。相手もサーブ&ボレーやネットプレーを取り入れて食らいついてきたが、錦織が6-3で振り切った。

 第4セットはすっきりしない展開に。錦織は1ゲーム目でブレークされてリードを奪われる。相手のサービスゲームでは0ー40で3連続ブレークポイント握る場面が2度もあったが取り切れず。4-6で落としてファイナルセットへ。

 気合いみなぎるジャンネッシは1ゲーム目から攻めてきて、先にブレークされた錦織は厳しい状況に陥るが、ブレークバックに成功し4-4。最後の3ゲームはストロークがさえて、6-4で4時間を超える試合に終止符を打った。

 相手も粘り強く、必要な場面では強気に攻めてきたが、格下だっただけにストレートで勝っておきたかった。今後勝ち進むには、引き離すべき場面で、自分から奪いに行く積極性やしっかりと決め切る安定感が求められるだろう。

 勝利した錦織は2回戦で第23シードのカレン・ハチャノフ(ロシア/25位)と対戦する。

構成●スマッシュ編集部

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